蟻(あり)を観察すると、いつも忙しそうに動き回っています。イソップ物語の「アリとキリギリス」は世界中で有名ですし、旧約聖書にも蟻は、働き者として描かれているようです。

ところが、蟻を研究した方によると、現実は次のような世界だそうです。

蟻は階級制度がきっちりしている社会で、一般に外で見かける蟻は、どの種類の蟻も「働きアリ」の階級です。この「働きアリ」は、働くことに特化した形体になったもので、飛ぶための翅(はね)やその他のパーツは無くなっています。

「働きアリ」は、ちょっと可哀想ですが、消耗品のような存在です。

「働きアリ」も若い時は、主に巣の中の仕事が中心で、外に出てくる「働きアリ」はベテランの部類の個体です。そして、驚いたことに、外にいる「働きアリ」は、その巣全体の総数比の3〜5%程と言われています。

たった、3〜5%程の「働きアリ」を目にしていただけと聞くと本当にびっくりしてしまいます。

研究者が蟻を観察するための人口儀巣(じんこうぎそう)で女王蟻を含めたコロニーを作って飼育観察したところ、普段は、「働きアリ」も、お互いに寄り集まって、じっとしているそうです。

忙しく働くのは、幼虫を育てなければならない時期や、餌(えさ)を取り込む時、または巣が外敵に襲われた場合などに限られます。

春から夏の時期に地上で盛んに活動するのは、幼虫が食べ物を必要としている時期だからだということです。

蟻は巣の外で仕事を終えると、巣に戻りますが、暫く巣の入口付近で休憩しているような蟻もいます。

まだまだ、蟻の行動の意味は判っていないことが多いようですが、どうやら蟻が一生懸命働くのは、必要にせまられた場合に限られるということが判ってきたようです。

食うか食われるかの自然界で生存競争をしているのですから、無駄なエネルギーは使わないで緊急時のために備えているのかもしれません。

やはり、人間が目にして感じたことと、現実は随分かけ離れているのかもしれません。本当に自然観察には興味がつきません。