昆虫が持っている優れた機能や形をまねして、それを工学や医療分野などに応用する昆虫ミメティクスについて、まとめていますが、今日は、空気から水を得ることのできる「ゴミムシダマシ」と、トンボの翅を真似して作った微風でも回転することのできる「プロペラ」機構について紹介します。

(1)空気から水を得ることのできる「ゴミムシダマシ」

ナミブ砂漠の海に近い所にいる「ゴミムシダマシ」という甲虫は朝霧に含まれている僅かな水滴を体に集めて飲むことができます。

この方法は、つぎのようなものです。

「ゴミムシダマシ」は朝と、夕方になると逆立ちをして砂漠の砂の上に佇みます。

すると、水との親和性に富んでいる体の部分で、霧に含まれている水分が集まります。しだいに水滴は大きくなってきて、ついには、その重さで水をはじく体表を転がりおちてきて逆立ちした口に集まる仕組みです。

つまり、「ゴミムシダマシ」は親水性と撥水性という異なる性質の体表をもっているから、このようなことが可能なのです。

実際に薄膜を作る技術を駆使することで、既にこの機構をまねして集水材料を開発することに成功しているそうです。

これと同じ材料で大きなものができるようになれば、乾燥地帯などの水資源の確保には有望な方法です。

(2)トンボの翅を真似することで、微風でも回転することのできる「プロペラ」機構

トンボは低速でも飛ぶことができますが、その理由は、トンボの翅の表面が平らではなく、ギザギザしていることと関係しています。

実際に、トンボの翅を真似してプロペラを作ってみると、弱い風でも回転することができたそうです。トンボの翅は、複雑に曲がり、凸凹もありますが、これが風を受けると、渦の列ができます。この渦が外側の空気を効率的に流すため、弱い風でも回転することができるらしいのです。

弱い風で回転できればプロペラ特有の騒音も小さくなると思いますので住宅街でも使うことができるようになると思います。そうすれば、電力の確保には大いに役立ちます。

このトンボの翅の表面構造を真似して開発した製品には、エアコン・空気清浄機がなどがあって、省エネや騒音改善に役立っています。