白鳥等の大型の鳥が群れで飛ぶ時は、「逆V」字型や「へ」の字型で飛ぶ姿が目撃されます。この理由は、翼を上下動させた時に発生する「翼端渦流(よくたんかりゅう)」と呼ばれる空気の流れを利用して、エネルギーを節約しているためと言われています。

翼を上下動することで空気は押されます、その反動で鳥の身体は持ち上げられて飛ぶことができます。この時、翼の下側は気圧が高く、上側は気圧が低くなっていて、体を上に引っ張り上げるような揚力が働いています。

ところが、翼の端の方では、揚力は生じていません。その理由は、気圧の高い空気は端の先や、下から上に移動してしまうからです。つまり、翼の端では渦のような上昇気流が流れています。これが「翼端渦流」です。

この「翼端渦流」の上昇流を後続の鳥が上手に捉えることができれば、体を持ち上げる力(揚力)として利用できます。

鳥の編隊飛行は下から見ていると同じ高度を飛んでいるように見えますが、実は後続の鳥は前の鳥よりも少しずつ高いところを飛んでいます。これは、まさに前を飛ぶ鳥の翼から生じる「翼端渦流」を利用して、エネルギーの節約をして飛んでいる証拠になると思います。

しかし「翼端渦流」は、鳥の翼から生まれる乱気流のようなものですから、羽ばたく状態によって、その都度変化すると思います。

下から見ていると同じ編隊で飛んでいるようにしか見えませんが、おそらく、後続を飛ぶ鳥たちは、前を飛ぶ鳥の翼の状態に応じて、前を飛ぶ鳥との距離や高度などを微妙に調節して、最も揚力を受けやすい状態を保っているのだと思われます。

尚、先頭を飛行している鳥には、常に大きな負荷がかかることになりますが、英国のオックスフォード大学の研究チームから発表された論文によると、編隊飛行中には、鳥たちは頻繁に位置を変えていて、先頭に立つ時間は均等に分担していたことをつきとめたそうです。

編隊飛行は鳥たちが協力して行動する素晴らしいものですが、渡り鳥にとっては、過酷な自然の中で生きていくために必死で獲得したエネルギー節約方法だったのです。