南半球にいるハクチョウには「コクチョウ」と「クロエリハクチョウ」の2種がいますが、彼らはとても家族愛が強くて、見ているだけで微笑ましくなるような鳥です。

(1)「コクチョウ」

オーストラリアとニュージーランドに住む「コクチョウ」は、世界で唯一の黒いハクチョウと言われています。尚、ニュージーランドの「コクチョウ」はオーストラリアから移入されたものですが、現在では野生化しています。

大きさは、1.1〜1.4メートルで体重は、5〜6kgです。

泳いでいる時は真っ黒に見えますが、飛んでいる時に現れる風切羽は白色です。そして嘴(くちばし)は明るい赤色をしています。

「コクチョウ」の夫婦は一夫一婦制で、最初の番(つがい)で生涯を共にすごします。普通は家族単位か、大きな群れで生活しています。

そして、大きくて浅い湖、干潟や入り江などに住んでいますが、乾燥期に水が少なくなると、雨などが降って一時的に浸水した農地などに向かって、数100kmもの旅をすることもあります。

特別な繁殖期というものはありませんが、気候が適していれば巣作りをします。

この時、番(つがい)は協力して巣を作り、浅瀬か島の中にアシ、草、海草などを山にした巣を築きます。

卵は、薄緑色をしていて4個から6個程度産まれます。そして5週間で孵化(ふか)しますが、雛(ひな)は成熟するまで3年かかかります。抱卵から成熟まで夫婦で協力して子育てをする微笑ましい姿を見ることができます。

(2)「クロエリハクチョウ」

南アメリカ南部の数カ所(アルゼンチン・チリ・フォークランド諸島)には、「コクチョウ」の近縁種の「クロエリハクチョウ」というハクチョウがいます。

彼らは、首部から頭部が黒色ですが、体部は白色の羽をしています。そして灰色の嘴(くちばし)の根元には目立つ赤いこぶがあります。大きさは、1メートル程度で、ハクチョウとしては最も小さい種類になります。

普通は、淡水湖や湿地などに住んでいて、水草などを食べています。群れは作らないで番(つがい)単位で生活をしています。1度に産む卵は4〜8個で、36日間抱卵して孵化します。卵の色はクリーム色です。

「クロエリハクチョウ」の性格はとても臆病ですが、家族愛はとても強くて、小さな雛たちは親鳥の背中に乗って運ばれます。

夫婦は、もちろん一夫一婦制で生涯を同じ伴侶で仲睦まじく過ごします。

この姿はとても微笑ましいものです。日本で飼育されている「クロエリハクチョウ」でも、家族で仲良く過ごす姿をみることができます。