ここ数年スズメバチに刺される被害も目立っていますが、
市街地にキイロスズメバチが巣を作って問題になっているようです。

実は、スズメバチは山の方にいるものだと思っていましたが、キイロスズメバチは市街地で増えているそうです。

そんなことから、何故、キイロスズメバチが市街地で増加してきたのかを確認したくなりました。

先ずは、スズメバチの生活を調べることからはじめてみました。

スズメバチの巣の寿命

スズメバチは外形がアリに似ています。そして、アリと同じように巣の中で、各々の役目が決められていて規律のある社会生活をします。

アリの場合は、女王アリが数年に亘って産卵することでコロニーを巨大化します。ところが、スズメバチの女王の寿命は、1年程です。

たった、1年だったのです!

女王の寿命は短いと思いますが、次期女王以外のハチ(働きバチやオスバチ、役目を終えた旧女王バチ)は、越冬もしないで死んでしまいます。

そのため、内部が何層もある巨大でりっぱな巣も、実質的にその年だけで廃棄されてしまいます。

スズメバチの女王の一生

スズメバチの女王の寿命は凡そ1年です。前年の暖かい時期に生まれた次期女王は、冬になると、寒さをしのげる場所に潜んで越冬します。(越冬するのは交尾を終えた次期女王だけです)

翌年の春になると越冬から目覚めた次期女王は樹液等を食べて、体力を回復をさせると直ぐに巣作りに取り掛かります。

まず、巣の場所の選定です。女王バチは、時間をかけて、できるだけ広い場所を探索して最適な巣の場所を決めます。

そして、巣作りの場所を覚えるために「オリエンテーション飛翔(ひしょう)」を行います。また、それと同時に巣作りのための素材収集に励みます。

この時は、女王バチしかいませんので、1匹だけで巣の建築を行いながら、幼虫の世話をします。このエネルギーは、女王に相当の負担をかけるため、上手く行かないケースも多いそうです。(やはり、自然界は厳しいですね)

そして、約1ヶ月後に働きバチが誕生すると、女王は雑務から解放されて産卵に専念するようになります。

巣作りは、生まれてきた働きバチたちが協力して行い、次々に新しい働きバチたちが生まれてきますので、巣の大きさは爆発的に拡大していきます。

キイロスズメバチが市街地で巣を作る理由

キイロスズメバチが人口の多い市街地で巣作りをするのは、次のような理由と考えられます。

① スズメバチの餌は、もともとは木の幹や枝ですが、キイロスズメバチは、気が荒い性質を持っていて、昆虫などの小動物も食べます。また、市街地には生ごみや空き缶に残ったジュースなどがあることから、何でも食べてしまうキイロスズメバチにとっては、市街地は餌に困らない場所です。

② キイロスズメバチの天敵は、オオスズメバチです。このオオスズメバチは、秋になると他のハチの巣を襲って全滅させてしまう行動をとります。

本来、オオスズメバチの好物はミツバチですが、体長が4㎝もあるため、キイロスズメバチ(2㎝程度)の巣も襲われます。

そして、オオスズメバチに襲われたキイロスズメバチは全滅するしかありません。

しかし、オオスズメバチは、地中や木の洞(ほこら)などにすんでいて、市街地からは離れたところにいます。(キイロスズメバチは、屋根裏、軒下、床下、排水溝等の人工物に巣を作ることができます)

このような理由から、キイロスズメバチにとっては天敵のいない市街地に巣をつくりたいと考えているのだと思います。

キイロスズメバチにとっては、餌が簡単に取れて、天敵もいない市街地は最適の場所だったのです。