昆虫は、海の中以外の、どんな環境にも適応していて膨大な数の種がいると言われています。

昆虫は、凡そ4億年前に地球上に出現してから、地球環境の変化にも対応して大繁栄に成功しています。

今回は、そんな昆虫の進化と学問的な分類を通じて、地球上の生物界から見た時の昆虫の位置づけをできるだけ平易に整理することにします。

昆虫の進化

■昆虫の出現時期
化石の発見や、地球環境の変化(植物の陸への進出や樹木の誕生)などから、昆虫の祖先の原始昆虫は、およそ4億年前には存在していたと考えられています。

尚、原始昆虫の体は、6脚、頭部・胸部・腹部に分れていましたが、翅(はね)は持っていませんでした。

■翅のある昆虫の出現
翅を持っている昆虫は、石炭紀(3億5900万年~2臆9900万年前)の地層の化石から多く発見されています。

この時代に、トンボ、ゴキブリ、バッタなどの祖先が出現していますが、ぺルム紀(2臆9900万年~2臆5100万年前)には、それらの多くが絶滅したことが判っています。

但し、その時に生き残った昆虫の仲間は、カワゲラ、アミメカゲロウ、コウチュウ等の新しいグループを生み出しました。

■植物と昆虫の共存関係
中生代(2臆5100万年~6500万年前)になると、植物の進化は大きく進みました。

また、昆虫界では、ハエ、ガ、ハチなどが現れてきて、花粉授受の役割を担うなどの植物と昆虫の依存や共存関係が生まれています。

■鳥類や哺乳類の進化に伴う寄生昆虫の出現
中生代のジュラ紀(2臆年~1億4500万年前)になると、鳥や哺乳類が爆発的に進化して数を増やします。すると、これらの生き物に寄生する新たな昆虫たち(シラミ、ハジラミ、ノミなど)が出現しています。

昆虫の学問的な分類

現在の昆虫の学問的な分類によると、頭部とあご部周辺の形などから「内顎綱(ないがくこう)」と「外顎綱(がいがくこう)」の2つに分けられていますが、そこからの分類は複雑のため、今回は割愛します。

尚、昆虫の「目(もく)」レベルの分類や系統は、形態的な面から分けようとして、様々な仮説が唱えられていますが困難を極めており、1990年代の後半になってからは遺伝子解析からの分類も試みられるようになりました。

《生物の学問的な分け方》
「界」は最大の分類で、その中を、「門(もん)」→「綱(こう)」→「目(もく)」→「科(か)」→「属(ぞく)」→「種(しゅ)」などと分けています。

遺伝子解析の結果、まだ、定まった分類には至っていませんが、昆虫に最も近縁な生き物は、エビやカニのような甲殻類(こうかくるい)と確認されました。

従来は、ムカデやヤスデのような多足類が、昆虫に最も近いと考えられてきたのですが、遺伝子解析の結果から、昆虫の祖先は水の中にいた甲殻類から進化した種(陸上に進出した種の体節が3つに減少して、6脚になったグループ)と推定されるようになったのです。

昆虫は地球上の生物界最大の種だった!

以上のように昆虫の学問的な分類は、まだ明確には定まっていないようです。しかし、昆虫は地球上の海の中以外のあらゆる場所にいます。

動物界最大のグループである「節足動物」は、全動物種の85%以上にあたる110万種(2003年時点)を超えていますが、その大部分は昆虫が占めています。

1998年時点では、世界中の昆虫は凡そ94万3000種でしたが、今現在も年間に数千種以上の新種が確認されています。

そのため、世界中の昆虫の種は、500万種から1億種いるのではないかと推定されています。

つまり、昆虫の種は、数が膨大ということだけは判っていますが、どれくらいいるのかは確認できていません。

ちなみに、人間を含んだ哺乳類は凡そ5000種です。確かに、人類は地球上で最も知的な生き物で、繁栄を極めていますが、実は地球の生物種の殆どは昆虫だったのです。

見方によっては、「地球は昆虫の惑星」と言ってもよいと思います。