昆虫は昆虫の特徴で飛んでいた!

昆虫は、頭と胸と腹部の三つに分かれていて、頭部には2つの触覚、胸部には4枚の翅(はね)と6本の足を持っています。

そして、足には節があることから節足動物の仲間になります。(人の足にも節はありますが、人には背骨があるため脊椎動物に分類されています。)

昆虫の特徴を聞かれた時に、「6本の足」と「節足動物」の仲間ということは直ぐに思い浮かびますが、胸部にある「4枚の翅(はね)」のことは後回しになってしまいます。

ところが、4枚の翅(はね)に注目して確認してみると、それは鳥の羽根の構造とは大きく違っていて昆虫の大きな特徴ということが判りました。

鳥が羽ばたく仕組み

鳥は、恐竜が進化したと言われています。

しかし恐竜の体は、本来飛べるようにはできていないため、恐竜が飛ぶためには、大変な変革が必要でした。

例えば、体の前方にある歯は重いため、飛ぶためには不適です。そのため、歯ではなく、くちばしにしてしまい、食べ物を消化するのに必要な胃袋には砂粒を入れてすりつぶす構造にしています。(胃袋は重くなりますが、体の重心付近に位置しているため、飛翔するのに適しているのです)

また、恐竜の尾は、飛ぶためには不要です(そのため、なくしてしまいました)。

そして恐竜が飛ぶために絶対に必要だったのは羽ばたくための羽根です。

これは、腕(前脚)を羽根に変えることで実現しています。

それと、羽根をバタバタと羽ばたかせるための強力な筋肉が必要でした。そのため、羽根のつけねには大きくて立派な筋肉があります。

勿論、強力な筋肉を動かすためには、十分な酸素を供給するための特別な呼吸器官である「気嚢(きのう)」も必要不可欠でした。

昆虫が飛ぶ仕組み

ところが、昆虫の翅のつけね付近をみても、鳥のような強力な筋肉はありません。それでも昆虫は自由に飛ぶことができます。

その理由は、昆虫の翅を動かしている筋肉は鳥とは違う構造をしていたからです。

昆虫の胸部外側は、背板・側板・腹板などを節間膜によって連結する構造でできていて、内側にある筋肉等を囲んでいます。

そして、翅を動かす飛翔筋(ひしょうきん)は、鳥のように翅(はね)には直接繋がっていません。

飛翔筋は、上下にある背板と腹板を繋いでいます。そして、飛翔筋が収縮すると背板付近にある翅を押し下げることから、翅は「てこの原理」で持ち上げられるようになっています。

逆に飛翔筋が伸びると、腹板の方向に引っ張られていた背筋は本来の弾力で、元の方向に膨らみます。昆虫の翅は、このような、凹んだり膨らんだりする胸の上下運動によって羽ばたいていたのです。

尚、昆虫の翅の付け根には、小さな筋肉がありますが、これは飛んでいる時の方向を定める時に使っています。

昆虫が選んだ合理的な飛翔の仕組み

鳥の羽ばたきの原理と比べると、昆虫は、随分省エネの構造で実現していました。

勿論、昆虫は鳥に比べて小さくて軽いことなどが影響しているのだと思いますが、昆虫は、そのサイズに適した方法で自由に飛び回れる能力を身につけています。

現在、様々な生き物の構造を研究して、新しい仕組みを機械に取り入れる試みがされていますが、昆虫の飛翔方法を参考にした飛行物ができるかもしれません。どんなものが世の中に登場してくるのか楽しみです(ひょっとしたら、私が知らないだけで既に実現しているのかもしれませんね)。