北米大陸の東岸に生息していたリョコウバトは、地球上で最も生息数が多い鳥と言われていますが、20世紀の初頭には絶滅してしまいました。

このリョコウバトは何故絶滅してしまったのでしょうか?
その理由を探るため情報を整理してみました。

リョコウバトとはどんな鳥だったのでしょうか?

リョコウバトは、ドバトよりも少しだけ小さいサイズの鳥でした。くちばしから尾の先までは40㎝ぐらいありましたが、尾が長く、背中面は紫色で腹面は赤褐色をしていました。

集団で行動する鳥で、リョコウバトという名前から想像できるように営巣地と越冬地を移動する渡り鳥でした。

夏の間は繁殖のためニューヨーク周辺から五大湖付近に営巣していますが、冬の寒さをしのぐために、メキシコの湾岸地域に移動します。

リョコウバトは、群で移動するのが特徴ですが、あまりにも数が多いために止まり木が折れてしまったことや、群れが上空を通過する時には太陽の光が遮られて、空が暗くなり、リョコウバトに覆いつくされた空は3日間も途切れなかったと言われる程でした。

そのため、1700年代には、リョコウバトの数は50臆羽もいたと推定されています。

リョコウバトの絶滅

リョコウバトの肉は大変美味しくて、北アメリカにいた先住民も好んで食べていましたが、1800年代になると、ヨーロッパからの移住者が激増したことから、食肉用とする以外にも羽毛をとるために乱獲されました。

また、人口の増加に伴って開発が進み、リョコウバトが住んでいる森も次第に少なくなっていきます。

そのため、リョコウバトの数は加速度的に減少していきます。このころになると、数の減少が気になり始めて、保護すべきとの動きも見られましたが、

それでもリョコウバトの数は多いため、人々は、いくら獲っても大丈夫と考えて密漁は絶えなかったそうです。

その後、1890年代になると野生のリョコウバトはほとんどいなくなり、1906年には、野生にいる最後のリョコウバトがハンターに撃ち落されました。

そして、動物園で飼育されていたマーサと名付けられたリョコウバトが老衰で死亡(1914年9月1日)したことで地球上から、リョコウバトは姿を消しました。

絶滅を防げなかった理由

リョコウバトは、群れで行動し、圧倒的な数がいましたが、その反面で繁殖力はとても弱い鳥でした。
繁殖期は、年に1回きりしかありませんが、生まれてくる卵は、1個だけだったそうです。しかも、自然界では、その1羽が無事に育つのも大変です。

確かに、この産卵数では短期間で数を減らすことが想像できます。その上、人による乱獲と繁殖するための大切な森の減少が重なったため、想像できないスピードで数を減らしてしまい、絶滅したのだと思います。

また、リョコウバトは群れで行動する生き物ですから、ある一定数を確保できないと日々の生活そのものが成り立たなくなっていたのかもしれません。

生物は、生きているだけで奇跡だと言われますが、リョコウバトが絶滅した実例を見ると、そのことを実感します。

生物たちは微妙なバランスを取りながら生存しているのです。

今回の実例を通じて、人による環境破壊が及ぼす影響の大きさを
改めて認識しました。