庭の片隅に、いつの間にかはえてきて白くて見栄えのする花を咲かせてくれる花は、図鑑の写真からテッポウユリだと思っていましたが、本物のテッポウユリは九州から沖縄の西南諸島に自生している野生のユリであることを知りました。

そうなると、いつもの調べ癖に火がつきます。ワクワクしてきました。

ところが、図鑑などを読むと、テッポウユリに似ていて我が家の庭に咲いてくれたユリの花は「タカサゴユリ」らしいということは直ぐに判りました。

とてもポピュラーなものでした。

しかし、テッポウユリの花と「タカサゴユリ」の花は似ています。そこで、テッポウユリと「タカサゴユリ」の関係について調べてみました。

 テッポウユリについて

テッポウユリの花は、細長くて鉄砲の筒のような形状から、命名されました。何故、そんな形状をしているのか? それは花粉を運んでくれる昆虫と関係していました。

テッポウユリの花粉を運んでくれる虫は「スズメガ」という「ガ」の仲間です。「スズメガ」の飛翔能力は優れていて、時速50kmもの速度で飛ぶこともできるし、ホバリング(空中に静止)することもできます。

そのため、「スズメガ」は花にとまらなくても口からストローのようなものを出して蜜を吸いとることもできます。(花にとまると外敵に狙われるチャンスが増えるため、短時間に済ますことのできる空中給油のような方法で対応しているのだと思います)

でも、花にとっては、虫が花にとまってくれなければ虫の身体に花粉を付けることはできません。

そこで、テッポウユリは、とても長い筒の奥に蜜を隠しました。

さすがに、テッポウユリのような長い筒では、ホバリングで蜜を吸うことは出来ません。そして「スズメガ」は長い筒の中に入らざるを得なくなります。(植物と虫との関係も面白いですね)

尚、テッポウユリは「スズメガ」が花を見つけやすいように工夫もしています。

■「スズメガ」は夜活動するため、夜でもできるだけ
見やすいように花の色を純白にしています。
■テッポウユリは「スズメガ」が見つけやすいように
夕方になると強い香りを放出します。

テッポウユリがキリスト教でイースターリリーと呼ばれる理由

テッポウユリは、九州から沖縄の西南諸島に自生している野生のユリですが、江戸時代に日本を訪れたシーボルト(ドイツ人医師)によってヨーロッパに伝わりました。

ヨーロッパは、キリスト教の「イースター(復活祭)」の時に、純白の花は「純潔」や「貞操」のシンボルとして使われてきました。当時は「マドンナリリー」という白いユリがシンボルでした。

ところが、シーボルトが持ってきたテッポウユリが大人気になったことから、それ以降は、テッポウユリが「イースターリリー」と呼ばれるようになりました。

タカサゴユリとテッポウユリとの関係

現在、日本で園芸種として栽培されているテッポウユリは、ヨーロッパで品種改良されたものが逆輸入で入ってきたものです。

「タカサゴユリ」は、テッポウユリよりも少しだけ大きくなりますが、形状は似ています。そして、全国の道端などでも咲いているのを見かけます。

「タカサゴユリ」は、台湾に分布している野生のユリで、テッポウユリから進化したものと考えられています。

つまり「タカサゴユリ」は帰化植物でした。そして、野生のユリのため、繁殖力も旺盛で成長も早いという特徴を持っています。

「タカサゴユリ」はユリの仲間では、雑草として生き抜く特徴があることから、ちょっと変わったユリのようです。

たしかに、植えてもいないのに突然長い茎をのばしてきて白くて大きな花をつけるのには驚かされました。しかも周りとはちょっと浮いている感じです。

それでも、何となく気になる花です。毎年咲いてくれることを願っています。