昆虫の食べ物は驚くほど多様化しています。
昆虫が食べるものには、動物や植物、腐肉、そして死骸やその破片、排泄物やそれらの分解物等があります。

そのため、昆虫の口は、食べ物に応じた形態に進化しています。

では、殆ど動かない植物たちは進化した昆虫に食べられるだけなのでしょうか?

それとも、食べられるのを防ぐ防衛手段を講じているのでしょうか?

今回は、植物を食べる昆虫たちから、植物が身を守る方法を調べてみました。

昆虫たちは植物の何を食べているのでしょうか?

昆虫が食べる植物食は次のようなものです。

植物の葉
果実
種子
花粉
花の蜜
植物の根
等々

昆虫が食べる植物の部位は、このように様々なものがありました。もちろん、食べる部位によって昆虫の種類も異なり、特定の部位を食べやすくするために昆虫は進化しています。

そして、殆ど動けない植物たちも、そんな昆虫たちに黙って食べられているわけではなく、様々な手法を駆使して身を守っていました。

食性昆虫に対抗する植物の戦術

植物の物理的な防衛方法

植物は、昆虫に食べられないように葉や茎を堅くすることや、鋭いトゲをつけています。

又、柔らかい柔毛や粘着毛を茎や葉に生やすことで孵化(ふか)したばかりの昆虫が動きにくいようにしています。

このような方法が植物の物理的な防衛方法です。

植物の化学的な防衛方法

植物は有害な化学物質を駆使して、昆虫に食べられないような防衛策も行っています。

例えば、アブラナ科植物は「カラシ油配糖体」という毒物質を持っていて、これを食べた昆虫は、内分泌の攪乱(かくらん)や基礎代謝が阻害されたりします。

また、ブナ科等の葉には、タンニンが含まれていて、これを沢山食べた昆虫は、消化不良や下痢を起こします。

消化不良といっても、医者のいない自然界で暮らす昆虫にとっては深刻な問題になります。

一例として、

10年程の周期で大量発生する「ガ」の場合、
大量発生から生まれた「ガ」は、その翌年には卵を産むため、さらに数が増えてしまうはずです。ところが、実際には「ガ」の数は減少して大発生は終息してしまいます。

これは、ブナが次のような対抗策をとっているためです。
『大量発生した「ガ」の幼虫たちによって、ブナの葉は大量に食べられてしまいます。すると、その翌年には、ブナは対抗策としてタンニンの含有量を増やします。』

このタンニンの含有量が増えた葉を食べた「ガ」の幼虫は、消化不良を起こして大きな成虫になれないため、「ガ」の数が減少して大発生は終息してしまうのです。

用心棒を住まわせて防衛する方法

これは、アリを植物の茎内等に住まわせることで、植物を食べる昆虫などから防衛する方法です。

この植物は、自分の茎内空洞を有効活用してアリを住まわせています。

アリは、他の昆虫たちを捕獲して食べてしまいますのでとても優れた用心棒です。

揮発性物質で昆虫に寄生する虫を呼び寄せて防衛する方法

この方法は、葉を食べられた時に作りだされる、特別な揮発性物質を放出して植生昆虫を間接的に退治する方法です。

この手法を用いる植物が、葉を食べられると揮発性物質が放出されます。すると、揮発性物質に誘引された寄生蜂などをが集まります。

すると、寄生蜂は植物を食べる昆虫に卵を産み付けます。その後に、孵化(ふか)した寄生蜂の幼虫は、寄生した昆虫を餌にしてしまいます。

植物は動物のようには動き回ることはできませんが、それぞれの植物が自分に合った防衛策を取り入れて、身を守っていました。

動けない植物ですが、侮ってはいけませんね。