植物はどのようにして開花時期を決めているのでしょう

菊 花・野草

植物が適正な開花時期を知る方法について、植物の開花センサーの究明は、アサガオの実験結果から取得。そして、センサーが何を感じ取っているかについては、気温の変化や、日照時間差、夜の長さ等で論じています。いずれも研究者見解などの抜粋です。

植物はどのようにして開花時期を決めているのでしょう?

日本では、キクの花は年中必要とされています。そのため、キクの花は温室栽培で一年中供給されるようになりました。

温室栽培では何らかの方法でキクに開花時期を知らせて開花時期を調整しています。
では、自然界の花が適正な開花時期を知る方法はどのようにしているのでしょう。

多くの植物が開花時期を知る方法

植物の花が咲く時には、ツボミを作り始めます。そして、ツボミを作り始めるきっかけは、夜の長さを検知することです。

《アサガオによる実験で分かったこと》
外部の影響を受けない部屋で、アサガオを育てた時に、葉・茎・芽・根のそれぞれひとつだけを光から遮断して実験しました。すると、アサガオのツボミは、葉を覆ったときだけツボミをつけることが確認されました。

つまり、植物は夜(暗い時間)の長さの変化を、葉で感じて、ツボミを作りはじめます。これが、多くの植物が、毎年同じ時期に開花する仕組みです。(植物研究者の実験で判明)

短日植物と長日植物

植物が、つぼみを作るタイミングは、次の2つのタイプがあります。これらのタイプは、短日植物と長日植物と呼ばれていて、葉で夜の長さの変化を感じています。

  • 短日植物(たんじつしょくぶつ)
    夜(暗い時間)が長くなると、つぼみをつくる植物・・・秋に咲く花
  • 長日植物(ちょうじつしょくぶつ)
    夜(暗い時間)が短くなると、つぼみをつくる植物・・・春から初夏に咲く花

このように、多くの植物は夜の長さ(暗い時間)で季節の変化を感じとっていたのですが、この方法を選んだ理由は何故でしょうか?

多くの植物が夜の長さの変化で季節を感じとる理由

多くの植物は、夜の長さの変化で季節が変わったことを感じています。理由は、他の方法よりも早く、季節の変化を感じることができるからです。

夜の時間の長さの変化を読みとる方法

例えば、夏至の日の場合は、次のような変化があります。

これから真夏になる夏至の日には、昼と夜の長さは同じですが、夏至を過ぎれば夜は長くなります。そして、12月下旬の冬至に、最も夜が長くなります(冬至を過ぎれば夜の時間は短くなります)。

このように夜の長さの変化は、気温が変化するよりも、2ヶ月も早く察知できます。季節を先取りすることで、植物は花を咲かせるまでのプロセス(ツボミをつくる)期間を確保していたのです。

気温の変化を読みとる場合

もしも、植物が気温の変化を感じ取っていたとしたら、どうだったでしょうか?

暖冬や冷夏などの影響をダイレクトに受けてしまうため、その後で気温の変化があると枯れてしまうかもしれません。

気温の変化を読み取る場合に比べて、夜の長さの変化を読み取る方法は、季節の変化を的確に判断できる優れた方法だったのです。

まとめ

植物が花の開花時期を調整する方法は、夜の長さの変化を、葉で感じることで行っていました。

「夜の長さの変化」は、夏至と冬至を境にしているので、真夏や真冬の時期を2ヶ月程先行しています。そのため、植物は、開花時期の準備ができます。

「夜の長さの変化」を感じとる方法は、季節を間違えないで開花させるのに最適でした。

何故なら、植物が気温の変化を見ていたのでは、日々の温度変動が大きくて不安定です。また、日照時間のモニターでは、曇りの日や台風の日などでは随分時間が変わってしまいます。

それに比べて、夏至と冬至による夜の長さの変化のモニターは、季節の揺れ戻しなどに惑わされない、最も安全で確実な方法なのでしょう。

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