夏になると人気者のノコギリクワガタですが、秋になるとどこかに行ってしまいます。

ところが冬でも元気なノコギリクワガタが話題になったという記事をよ読みました。

記事の説明では、越冬中のノコギリクワガタが、間違えて出てきてしまったのでしょうと結論づけています。

通常のノコギリクワガタは、秋になると枯れた木の中で成虫になって越冬するからです。

この記事を読んでから無性にノコギリクワガタについて知りたくなりました。

ノコギリクワガタの生態

ノコギリクワガタは、
卵→幼虫→さなぎ→成虫
と、幼虫が殆ど動くことのない「さなぎ」を経てから成虫になる完全変態をする昆虫です。

■ノコギリクワガタ等の成長段階の特別な呼び名

ノコギリクワガタの越冬は、生まれた時期や個体によって、ばらつきが大きいという特徴があります。

《発育段階を示す「齢(れい)」》
まず、昆虫等の発育段階を示す単位には、「齢(れい)」を使います。
1齢幼虫は孵化(ふか)した直後の「幼虫」です。
ノコギリクワガタの場合は、2齢幼虫とは、1齢幼虫が最初の脱皮をした状態の幼虫です。そして3齢幼虫は、「さなぎ」になる前の幼虫で、しっかり体を作るための重要な時期になります。

《休眠》
羽化(うか)した直後の外骨格は柔らかくて活動できません。外骨格が硬くなって自由に動きまわるまでには時間が必要です。この期間は、「さなぎ室内」で、じっとして過ごします。この期間が休眠です。

■ノコギリクワガタの越冬

多くのノコギリクワガタは夏場に生まれて、孵化(ふか)後の3齢幼虫で越冬します。

ところが、10月下旬以降に生まれた卵の場合は、期間の余裕がないため、
① 卵のまま越冬、②1齢や2齢の幼虫で越冬など、かなりばらついています。

それでは、通常のノコギリクワガタの成長段階を見てみましょう。

ノコギリクワガタの成長段階と内容

7月〜9月頃に、ノコギリクワガタのメスは交尾後、嗅覚(きゅうかく)で幼虫に適した場所(湿った柔らかい土など)を探して産卵します。

幼虫

卵は、およそ3週間で孵化(ふか)して、越冬に必要な十分な栄養を溜め込みます。通常は3齢幼虫に成長して越冬します。この期間は7月〜翌年の6月頃(約1年間)になります。

さなぎ

越冬中の幼虫は3月頃に目覚めて、さなぎになる準備を始めます。
気温が温かくなる6月〜7月ごろになると硬い土に移動して「さなぎ室」を作り、「さなぎ」になります。

羽化(うか)

6月〜7月ごろになると、「さなぎ」から、3〜4週間程で羽化(うか)します。

成虫

羽化(うか)すると成虫ですが、まだ体が柔らかいため「さなぎ室」の中で休眠(約1年)します。

休眠を終えて「さなぎ室」から出ると、さっそく活動します。

成虫になると餌場(えさば)に行って樹液を飲みますが、ここでは子孫を作るためのオス同士の戦いをします。

オスは交尾後に生涯を閉じ、メスは、産卵後に生涯を終えます。