コクチョウは、オーストラリア国内にいる固有種です。ところが、先日、環境省が行っている渡り鳥の飛来状況をみたところ、茨城県の千波湖に6~22羽のコクチョウがいることを知りました。

コクチョウは、コハクチョウと同じぐらいの大きさですが、全身黒色(初列および次列風切羽の外側と小翼羽は白色)でくちばしは赤色(先端部は白はん)をした野鳥です。コクチョウは、渡り鳥ではなくオーストラリア国内を暑さや寒さを避けるために、住みやすい環境をもとめて移動する「漂鳥(ひょうちょう)」です。

そんなコクチョウが国内の自然環境で生息していることを知り、理由を調べてみました。

コクチョウが千波湖に飛来する理由

国立環境研究所の侵入生物データベースによると、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、スロベニア、シンガポール、ニュージーランドには、ニュージーランドの固有亜種が絶滅した後に、オーストラリアから移入されていました。

その他、スペインやフランスでも観察例があるそうです。(どうやら、黒鳥はニュージーランドとオーストラリア地域の固有亜種だったようです)

日本国内のコクチョウは、茨城県の千波湖で繁殖していて、宮崎県でも繁殖したことがありました。観察例は多く、北海道、岩手、宮城、福島、栃木、群馬、千葉、東京、埼玉、神奈川、大阪、京都で観察されたことがありました。

日本では、1955年~1960年に東京都、京都府、大阪府でツガイを輸入して、飼育していたことがあります。

日本国内へ侵入して繁殖した経路ははっきりとは判りませんが、恐らく、ペットとして飼われていたものなどが逃げ出したものと思われます。

千波湖に生息しているコクチョウは、1878年に宇都宮市から移入したものと言われていて、順調に繁殖を続けて、2006年には58羽も観察されています。

千波湖のコクチョウ

千波湖のコクチョウは、環境省による今年度(2017年度)の渡り鳥飛来状況を始めた10月6日以降のデータが掲載されていました。尚、千波湖は茨城県水戸市偕楽園にある湖です。

10月06日(18羽)
10月13日(22羽)
10月27日(16羽)
11月02日(12羽)
11月16日(6羽)
11月28日(13羽)
12月05日(13羽)
コクチョウは、環境への適応性が強くて、千波湖の周辺でも観察されているようですが、数が増えて困ったという報告は無いようです。

やはりこれ程の大型の鳥が野生で生息するのは難しいのかもしれません。特定の場所でも良いので生息し続けて欲しいと願っています。