千葉県印西市笠神(成田市付近)の水田には、毎年多くのハクチョウが飛来する「白鳥の郷」があります。

「白鳥の郷」では、早朝に水辺から飛び立つハクチョウを、そして夕方には舞い戻って着水する多くのハクチョウを観察することができます。

ハクチョウは、とても大きな鳥のため、離陸する時や着水する時には特別な工夫をしなければなりません。東京からほど近い「白鳥の郷」では、そんなハクチョウの自然の姿を観察することができます。

千葉県印西市笠神の「白鳥の郷」

「白鳥の郷」は、白鳥の飛来地として有名な新潟県瓢湖(ひょうこ)に次ぐ、飛来地とも言われていますが、観察用の特別な施設などはなく、白鳥のために一部の水田に水を引き入れた場所です。

トイレや、駐車場もありません。車で行く場合は、通行妨害にならないようにして農道に直列駐車をすることになります。

ハクチョウが飛来するようになった理由

「白鳥の郷」に最初にハクチョウが飛来したのは平成4年度(1992年)です。

この時に、地元で鳥獣保護委員をしていた出山光男氏が、6羽のハクチョウを見つけて感激したのが始まりです。

出山光男氏は、およそ7,000平方メートルの冬の田んぼに水をはって、ハクチョウが毎年来てくれるように1日に3回も餌付けをはじめました。(米を収穫した後の水田は、通常水がありませんが、ハクチョウが来てくれるように水を入れました)

それ以降は、1996年(52羽)、1998年(125羽)、2000年(271羽)、2001年(357羽)と毎年ハクチョウの飛来数は増えていき、2005年には最高記録(1323羽)のハクチョウが飛来しています。

近年では、1000羽弱程度のハクチョウが飛来して、観察者を楽しませてくれています。
地元の印西市立本埜(もとの)第二小学校調査によると、2018年1月9日には、既に891羽のハクチョウが観察されています。

「白鳥の郷」でハクチョウを観察する面白さ

自然のハクチョウを見る楽しさは、特別です。大きくて、白いハクチョウが群れをつくって優雅に泳ぐ様子を見ることは、普通は簡単にはできません。

集団で一斉にハクチョウが水辺から飛び立つ姿には、すさまじささえ感じてしまいます。

体の大きなハクチョウが、水辺から離陸するには、けたたましく足をばたばたさせて走りださなければなりません。

大きな体を浮上させるための揚力(ようりょく)を得るためには、
スピードと、向かい風を必要としているからです。

そのため、向かい風が吹き始めると、集団で一斉に飛び立っていきます。

ハクチョウが水辺に着水する様子も一見の価値があります。

ハクチョウは、まるでジャンボジェット機が降りたつように、できるだけ空気抵抗を増そうとして、大きな水かきを前に突き出して着水します。(ちょっと滑稽に見えますが、ハクチョウ達は必至です)

千葉県印西市笠神の「白鳥の郷」では、そんなハクチョウたちの姿を自由に観察できます。

『早朝』・・・餌を求めて水辺から飛び立つハクチョウを見ることができます。
『夕方』・・・餌場等から舞い戻ってくる多くのハクチョウ(コハクチョウや、くちばしの黒いアメリカコハクチョウ)の着水姿や、田んぼで泳ぎ回る姿を観察することができます。

千葉県印西市は、田園風景が広がる自然豊かな所ですが、駅の周辺がしっかり整備された千葉ニュータウンは有名です。東京へのアクセスも良好です。そんなところで、1000羽ものハクチョウの群が観察できるのですから驚きです。