シロアリは、アリという名前がついていて、ありんこのような姿をしているのですが、実はアリではありません。

アリとシロアリの違いを比べながら、シロアリのことを整理してみました。(変態形式や食性などの詳細は下方記事にまとめます))

次に、アリとシロアリの特徴を一覧表にまとめます。

 No   項  目     ア  リ      シロアリ
 1 日本名 アリ シロアリ
 2 英名 ant termite
 3 変態形式 完全変態 不完全変態
 4 社会性の有無
 5 人の関係 益虫 害虫
 6 分布 地球上のあらゆる陸地 熱帯、亜熱帯、暖温帯
 7 コロニー内のワーカー メスのワーカーのみ オス・メスのワーカー
 8 食性 肉食 植物食

 

 

アリとシロアリの変態形式

昆虫等は、成体とは異なる形で生まれてきます。この時に幼虫から「さなぎ」を経て成体になる場合を完全変態(かんぜんへんたい)と呼び、「さなぎ」にならないで成体になるものを不完全変態と呼んでいます。

完全変態の幼虫は、成体とはかけ離れた形(大抵は、イモムシのような形)をしていますが、不完全変態の幼虫は、はねや手足が備わっていて、脱皮をするたびに成虫の姿に近づいていきます。

完全変態と不完全変態昆虫の出現時期

完全変態昆虫は、約4億8,000年前に出現しています。(チョウ、カブトムシ、ハチ、ハエ等)
不完全変態昆虫は、約3億5,000年前に現れました。(バッタ、ゴキブリ、カマキリ、ナナフシ等)

アリは、卵からかえっても炊きたてのご飯粒のような形をしていて、自力では生活できません。その後、「さなぎ」になる「完全変態」の昆虫です。

シロアリは、卵からかえると、既に手足や触覚、はねが備わっている「不完全変態」の昆虫です。

アリとシロアリの食性

多くのアリの食べ物は、肉食です(但し、キノコを栽培して食べたりする種もいます)。様々なものを食べる種もいることから、雑食と言ってもいいくらいです。

これに対して、シロアリは、木材などの死んだ植物を食べます。(生木よりも枯れ木の方がセルロースが多いと言われています)

シロアリの腸内には、植物細胞の細胞壁や植物繊維の主成分になっているセルロース(炭水化物)を分解する微生物が共生しています。

セルロースは、ブドウ糖の結合方法がデンプンとは違っていて、人や普通の動物には分解することのできません(植物たちが考えた知恵なのかもしれません。栄養として摂取できません。)が、シロアリは腸内の微生物のおかげで枯れ木を食べることができます。

生きている草木を食べる生物の多くは、セルロース(細胞壁)ではなくて、細胞のたんぱく質や脂質を栄養としています。もちろん、牛や馬もシロアリと同じように微生物と共生しているため、セルロースからも栄養を摂っています。

尚、シロアリはセルロースを食べているため、単位当たりのたんぱく質の量は牛肉以上にあることが判っています。(シロアリは、他の動物の重要な栄養源になっています。)

 

まとめ

一見すると、シロアリは、アリの一種だと見えてしまいますが、全く違う生物だということが判ったと思います。

従来の印象

アリは、害虫退治をすることや、勤勉という印象が強い(益虫)
シロアリは、家を食い荒らす(害虫)
↓    ↓    ↓

現在の印象

シロアリは、地球資源を有効に活用する生物で、将来の食料難を克服する有力な候補