カミキリムシは、身近な甲虫で種類が多く、カラフルなものから地味なものまで様々です。そんなカミキリムシを好きな人は多いのですが、カミキリムシは果樹や松の木を枯らしてしまう害虫でもあります。

今回は、害虫として嫌われているカミキリムシの概要を調べてみました。

被害を受ける果樹や樹木とカミキリムシの種類

人の活動に損害を及ぼす生き物は害虫として扱われます。

カミキリムシは、「果樹」、「樹木」、「鑑賞用植物」、「伐採木」などを枯らすことや、穴を開けて商品価値をなくしてしまう事などをする害虫です。そんな、カミキリムシたちについて整理してみました。

果樹を食い荒らすカミキリムシ

ミヤマカミキリ・シロスジカミキリの幼虫は、栗の木の幹や枝の中に入りこむと木を食べて穴をあけるため、木の強度が低下します。その結果、台風などの強風で木が折れることもあります。

ゴマダラカミキリ・センノキカミキリ等のフトカミキリ亜科の多くの幼虫は、果樹類(みかん等の柑橘類・リンゴ・ナシ・イチジク・ブルーベリー等)の樹皮下や木の内部を食いあらします。

そして、成虫になると果樹類だけでなく、他の若枝や葉を後食(ごしょく)するため、多くの関係者に嫌われている害虫です。後食とは、さなぎから成虫になったカミキリムシが食べることを指しています。

樹木を食い荒らすカミキリムシ

スギカミキリの幼虫は、スギ・ヒノキの植林を食べてしまう害虫です。シラフヨツボシヒゲナガカミキリの幼虫は、エゾマツやトドマツ等の、主に衰弱木の幹や、生木の枝先樹皮を食べる害虫です。

マツノマダラカミキリは、アカマツを枯らしてしまうセンチュウの中間宿主として知られています。

マツノマダラカミキリとセンチュウの関係

マツノマダラカミキリの幼虫は、初夏頃に松の樹木内で「さなぎ」
になります。すると、小さなセンチュウが「さなぎ」の気門から
気管内に入り込んでしまいます。

マツノマダラカミキリがさなぎから羽化して成虫になると、センチュウ
を体内に保有したまま、樹木から外に出てきて健康な松の若い枝を後食します。

すると、センチュウが出てきて、後食した噛み跡の穴から松の木に侵入します。

センチュウは、6月上旬~9月にかけて侵入した松の内部で、樹脂を分泌する樹脂道(細胞の隙間)や、根から吸い上げた水分を通す仮道管等で数を増やして栄養分を摂取するため、松を枯れさせてしまいます。

マツノマダラカミキリのメスは、枯れた松に飛来して産卵します。
そこで孵化(ふか)したマツノマダラカミキリの幼虫は、松の樹皮下
を食べて成長します。

鑑賞用植物を食い荒らすカミキリムシ

カミキリムシは樹木を食い荒らすため、当然観賞用の植物を食べるものもいます。

キクスイカミキリは、栽培菊に被害を及ぼし、ゴマダラカミキリはバラ、フトカミキリ亜科の多くは、ハイビスカスを食べる等の被害をだすことで知られています。

伐採木を食い荒らすカミキリムシ

スギやヒノキは伐採してから、2~3ヶ月間も自然乾燥しなければなりませんが、その時に、ヒメスギカミキリやスギカミキリのメスが樹皮に産卵します。

卵から出てきたヒメスギカミキリやスギカミキリの幼虫は、内樹皮(樹皮下)部を食べるため、スギやヒノキの品質を劣化させてしまいます。

シイタケのホダ木を劣化させるカミキリムシ

シイタケの菌を植え付けるのに適しているのは、クヌギやコナラを伐採して乾燥させたホダ木です。

ナガゴマフカミキリ・ハラアカコブカミキリ等の幼虫は、ホダ木の中を食い荒らすため、シイタケの菌糸の増殖の阻害や、ホダ木の寿命を劣化させる原因になります。

まとめ

カミキリムシのマニアにとっては、カラフルで見ごたえのあるカミキリムシですが、一般的には、木等を食い荒らす害虫です。

松の木を枯らしてしまうセンチュウは、カミキリムシとの持ちつ持たれつの生活サイクルが被害をもたらしています。

一方で、カミキリムシの愛好家にとっては、無限ともいえるほどの知りたい情報の宝庫です。樹木にとっては大変な害虫であることも念頭におきながら、カミキリムシ探索を続けていきたいと思っています。