近年、クビアカツヤカミキリが埼玉県を中心に関東地域でも繁殖して平成30年1月15日には、特定外来生物に指定されています。

クビアカツヤカミキリは、桜や桃の木に甚大(甚大)な被害を及ぼす可能性があり、マスコミ報道にも取り上げられたことから有名になりましたが、今までにも海外から日本に来て定着しているカミキリムシも多数います。

日本に侵入してしまった外来カミキリムシについて整理してみました。

国内・国外外来のカミキリムシ

ラミーカミキリ

過去に日本に侵入しているカミキリムシの数は多いため、環境省で外来生物の指定対象種とした「侵入生物データベースリスト」にある、カミキリムシを一覧で示します。

表. 国内・国外外来種で国立環境研究所の侵入生物データベースにある、カミキリムシ一覧

No     和  名  法的扱い 由 来      移入後の分布
ツヤハダゴマダラカミキリ 植物防疫法 未定着 3ヶ所で確認したが、いずれも散発的で定着していません。
クビアカツヤカミキリ 植物防疫法 国外 愛知県(2012年)、埼玉県(2013年)
ラミーカミキリ 植物防疫法 国外 関東以西~西日本、周辺離島
キボシカミキリ(奄美亜種) 植物防疫法 国内 伊豆諸島の八丈島、鹿児島
キボシカミキリ(亜種不明) 植物防疫法 不明 (本州、四国、九州)

表中の由来欄の「未定着」の意味

表中で、「ツヤハダゴマダラカミキリ」は、まだ国内への定着生息が確認できていない種です。出現記録は3例ありますが、いずれも散発的なものでした。(3件の内1件は、2002年に神奈川県横浜市の街路樹で確認されましたが、2004年9月までに防除されています。)

そのため、由来欄は「未定着」と記載されています。

但し、国内定着してしまうと、「ツヤハダゴマダラカミキリ」とともに松の木に被害を及ぼす「マツノザイセンチュウ」が侵入してしまうためリストに掲載して、植物防疫法(しょくぶつぼうえきほう)で輸出入を検疫(けんえき)して駆除(くじょ)と蔓延(まんえん)防止を図っています。

表中の由来欄、「国内」の意味

表中で、「キボシカミキリ(奄美亜種)」は、由来欄が「国内」と記載されています。これは、国内外来種のことで、日本国内の他の場所(地域)から人為的に持ち込まれたことを指していて、生態系や生物多様性等に悪い影響を及ぼすことが危惧(きぐ)されているものです。

表中の由来欄、「不明」の意味

これは、「キボシカミキリ(亜種不明)」が該当しています。

キボシカミキリの形態は、地理的変異(住む地域によって姿・形が異なる)が大きく、広く東アジアに分布生息していますが、13亜種に分類されています。

日本国内のキボシカミキリは、本州、四国、九州に分布していて、東日本型(東北-関東甲信越、静岡)、西日本型(中部-近畿-中国地方、四国、九州)の2つのグループがあります。

東日本型は、形態学的な比較などから、海外からの侵入害虫とする説があり、西日本型は、在来種の可能性もあると言われています。

つまり、あまりにも複雑で、どこから来たものなのか明確に分けられないのです。そのため、国内の「キボシカミキリ(亜種不明)」の由来を「不明」として扱っています。

国内のキボシカミキリでも、伊豆諸島八丈島の分布集団は、奄美大島・徳之島産亜種と同定されています。

まとめ

カミキリムシは、植物に被害を及ぼす害虫として、植物防疫法(しょくぶつぼうえき法)の対象になっています。現在、国立環境研究所の侵入生物データベースリストに掲載されているカミキリムシは、上記の5種です。

これらのカミキリムシを見つけた場合は、捕殺と関係市町村への情報提供が求められています。