猛禽類のハヤブサが大都会に棲むのは世界的な傾向

ハヤブサの飛行写真

ハヤブサ

猛禽類(もうきんるい)のハヤブサは、海岸に面した断崖絶壁の岩棚などで営巣する鳥ですが、開発が進んだ影響で、そんな場所は減ってきています。

そのためでしょうが、大都会の高層ビルで営巣するハヤブサが増えているそうです。これは、日本だけでなく世界的な傾向と言われています。

ハヤブサが都会で暮らし始めて、高層ビルで営巣する理由について調べてみました。

ハヤブサという鳥のルーツ

近年、遺伝子解析技術が向上した結果、種の分類は、より科学的に対応できるようになりました。

その結果、「シロハヤブサ」や「チョウゲンボウ」などのハヤブサのグループは、ワシやタカの仲間の分類よりも、「インコ」や「スズメ」目の鳥に近いことが判ったそうです。

スズメ、ツバメ、カラス、ヒヨドリ、ハクセキレイ、ムクドリなどは、スズメ目の鳥で、人の生活圏に巣を作ることで、天敵に襲われにくく、食べ物も確保しやすい等の理由から人里を選んできた鳥です。

ハヤブサのグループの鳥が、ワシやタカの仲間ではなく、「インコ」や「スズメ」目の鳥に近いのなら、余計に都会に棲む理由付けがしやすくなります。

高層ビルと断崖絶壁の共通点

高層ビルの窓は、普通は開けられないため、ハヤブサの巣に人が近づくことは稀です。ビルをメンテする人々もハヤブサの巣は大切に見守ってくれています。

その上、高層ビルには、人の目には触れないような場所に、ハヤブサが羽を休める場所や、卵を抱くことのできるスペースがあります。さらに、高層ビルに吹きすさぶ風は、断崖にふく上昇気流と同じです。

都会にもハヤブサのエサはあるの?

都会の高層ビルはハヤブサの棲み家に向いているようですが、エサはどうしているのでしょうか。ちょっと心配になりましたが、実は都会には、ハヤブサの獲物となるハトやネズミなどがたくさんいました。

それだけではなくて、ハヤブサが得意とする、急降下して獲物を捕まえる狩りには、高層ビル群は適していました。高層ビルの周りには、障害物がほとんどないためです。

ハヤブサの狩りの方法

ハヤブサは上空から獲物を探しています。そして、標的を見つけると真っ逆さまに急降下して、捕獲してしまいます。急降下時の記録された最高時速は、なんと390km/hと言われています。それにしても、そんなスピードで地上付近まで行って、激突しないで獲物を捕獲する技術はすごいと思います。

ハヤブサの未来

ハヤブサは、断崖絶壁のある海岸や山の開発が進んで棲み家を減らしてしまいましたが、幸いにして高層ビル群のある大都会が新天地になっているようです。

この傾向は、ハヤブサだけでなく、ハヤブサよりも小さなチョウゲンボウというハヤブサグループの鳥も、繁殖場所としていた崖地が少なくなったため、送電線の鉄塔や橋梁(きょうりょう)の下などに巣を作るようになって定住しています。

これらのことを考えると、人による開発が進んでもハヤブサグループの鳥は、人の近くで共存することができるのでしょう。人による開発に追いやられながらも、新天地を探して適応した能力を持っているハヤブサグループの将来は、きっと明るいでしょう。