女王アリが作るアリ社会

女王アリの写真

女王アリの写真

アリは、社会性昆虫の代表のような生き物ですが、集団を最初に作るのは、1匹の女王アリです。今回は、女王アリがどのようにして集団を作り始めるのかについてまとめて紹介します。

アリのルーツは?

アリは、ハチ目アリ科に分類されていて、ハチから分かれたそうです。

確かに、羽化(うか)した時の女王アリや雄アリには翅があって飛ぶことができるし、また、ハチの翅をとった姿を思い浮かべると、アリそっくりです(アリがハチの仲間だったことはうなずけます)。

アリに似ているシロアリとの関係は?

シロアリも社会性昆虫で、姿もアリに似ていますが、シロアリはアリとは無関係で、ゴキブリと近縁の昆虫です。

このことはアリとシロアリの成長過程を比べると判ります。

アリは、完全変態昆虫で、「卵」→「幼虫」→「さなぎ」を経て「成虫」になりますが、シロアリは、不完全変態のため「さなぎ」にはなりません。シロアリは卵が孵化(ふか)すると、既にシロアリの形をしていて、それ以降は脱皮をしながら成長して「成虫」になる昆虫です。

ただし、同種のアリでも、「さなぎ」になるものとならないものがいるそうです。(ちょっと不思議)

女王アリから始まるアリの集団

女王アリは、新たな家族を作るため育った巣から飛び立って、結婚飛行に旅立ちます。同時期に同種アリの他コロニーから飛び立ったオスアリたちと空中で交尾をします。

この時、交尾で獲得した精子は、女王アリの特別な臓器で保存されて、その後、女王アリが産卵する時に卵の受精に使われます。(どうやら、20年分も確保すると言われています)

結婚飛行を終えた女王アリは、いらなくなった4枚の翅を切り落として巣穴を作ります。そして、オスアリたちは、死んでしまいます。

女王アリが1匹でやること

女王アリは、たった1匹で巣穴を掘って、そこに、最初の10個から20個程の卵を産みます。女王アリは、巣穴の中で、産んだ卵にカビなどからの雑菌が付かないように、卵を舐(な)めて清潔に保ちます。

卵からは、2週間ほどで幼虫が孵化(ふか)しますが、幼虫たちには手も足もないため、女王アリが1匹で育てます。幼虫のエサは、女王アリが体内に蓄えておいた栄養を吐き戻して、口移しで幼虫に与えます。

女王アリからエサを貰って成長した幼虫は、やがて口から糸をはいて繭(まゆ)を作り、その中で蛹(さなぎ)の期間を経て羽化(うか)して、働きアリになります。

卵を産んでから、羽化までには、約1.5ヶ月かかりますが、この間は、女王アリは、1匹だけで、何も食べずに子育てをしています。

以上が、新たな巣を作る時の女王アリがする仕事です。

最初に生まれた卵から働きアリが生まれる(10匹~20匹ほど)と、働きアリたちは、女王アリの身の回りの世話や、生まれてくる卵や幼虫の育児などをします。

まとめ

アリの集団の始まりは、1匹の女王アリが巣穴を掘る所から始めて、最初の働きアリが羽化するまでの子育てなどの全ての作業をすることでした。

その期間は、女王アリは何も食べることも出来ませんが、栄養を幼虫に与えて成長させています。女王アリは、産卵だけして身の回りの面倒は、全て働きアリたちがしてくれるので、ちょっとずるいと思っていましたが、大変な仕事を担っていました。

また、女王アリは、働きアリが生まれてから、少しずつ産卵数を増やします。その理由は、働きアリの数を把握して、世話をしなければならない幼虫の数を調整しているからと言われています。