鳥の卵の色

野鳥の卵

野鳥の卵


ニワトリの卵は、大抵白色か薄茶色です。野鳥の卵は、あまり見たことはありませんが、白地に薄茶色やこげ茶の斑点のものが普通です。

ムクドリやサギの仲間では薄い青色、ウグイスはチョコレート色をしていますが、図鑑などで世界中の鳥の卵を見ても原色系の奇抜な色のものはありません。

ただし、南アメリカに生息する「シギダチョウ」の仲間は、奇抜という程ではありませんが、大きくて青緑色の目立つ卵を産みます

今回は、そんな鳥の卵の色について調べてみました。

鳥の卵の色は何で作られているの?

書籍で調べたところ、鳥類の卵の色素は、青色の「ビリブェルディン」と、茶色の斑点や茶色地を発色する「プロトポルフィリンⅠⅩ」という、たった2種類の色素でした。鳥の卵の色は、この2つの色素が元になって作られていたことから、あまり奇抜な色は存在しなかったようです。

卵の作られ方

鳥類の卵は、卵巣内の「胚」に栄養となる「卵黄」が付けられて形成されます。卵は成長すると卵巣から排卵されて出てきますが、その途中で「卵白」が付けられ、子宮に降りて行きます。子宮内では、「卵白」の周りに炭酸カルシウムの結晶が付いて「殻」ができます。

「殻」ができると、「殻」の外側に色素が沈着することで色や模様ができます。この時に、色素が沈着しなければ、卵の色は白色です。

つまり、鳥にとっては、卵に色を付けるのは余分なことです。余計な手間暇をかけてまで、しなければならない、必要なことだと思っているから卵に色や模様を付けていることになります。

卵に色や模様が付けられる理由は?

鳥の卵に色や模様が付けられる理由を鳥類学者たちは、次のような事と考えて研究しています。①隠ぺい(いんぺい)、②托卵防止(たくらんぼうし)、③温度調節、④紫外線などの透過防止、⑤殻の補強や除菌、⑥卵の質を外敵などに知らせる

①隠ぺい(いんぺい)

これは、白色よりも、薄茶模様などがあった方が外敵から目立たないだろうということです。ただし、実験的に調べてみると、「チドリ」や「アジサシ」のように地面のくぼみなどに卵を産み付ける鳥以外では、「隠ぺい」の効果はなかったようです。

捕食者が卵を見つけるのは、巣を見つけた時や、巣から出入りする親鳥を見つけて巣を特定してしまう時です。確かに、巣が見つかってしまえば、卵の色や模様だけでは隠しようがないですね。

②托卵防止(たくらんぼうし)

托卵をする「カッコウ」は宿主の卵に似た卵を産んで、宿主に気づかれにくいようにします。托卵されてしまうと、宿主は「カッコウ」の子を育てさせられるだけでなく、自分の子孫を残すことができなくなります。

そのため、宿主は、卵の色や模様を変えて、托卵をしないようにしているということです。

③温度調節

卵の表面につけた色素による模様や筋で、卵が生育しやすい温度調節をしているようです。

④紫外線の透過防止と⑤殻の補強や除菌など

「プロトポルフィリンⅠⅩ」という色素は、紫外線防御や、卵殻表面の除菌や強度の向上などの機能を持っているため、この色素で卵の表面に模様や筋をつけることで、それらの役目を発揮させていることが判っています。

⑥卵の質を外敵などに知らせる

これは、より目立つ色を卵に付けることで、捕食者に卵の性質(例えば食べてもまずいなど)を知らせることや、目立つ色にすることで托卵しにくくすることや、さらには、卵を産んだメスの質の高さを表しているという、とても奥の深い仮説まであります。

この「⑥卵の質を外敵などに知らせる」は、最近活発に研究者の間で議論のまとになっているもので、さまざまな検証が行われている最中です

まとめ

鳥類の卵の色は、2種類の色素だけを使って色を作りだしていました。そして、「プロトポルフィリンⅠⅩ」という色素には、色を付けるだけではなく、紫外線を防ぐことや、卵殻表面の除菌や強度の向上などの機能を持っていることが判りました。

鳥の卵の研究は、まだ途中段階のため不明点が多いのですが、研究者の間ではとてもホットなテーマになっていて、これからも面白い発見があることでしょう。