人気者のカワセミ

カワセミの写真

カワセミの写真

公園を散歩していた時、園内の池の周りにカメラマンが大勢集まっている光景をみました。彼らは、その池に来るカワセミを撮影していたのです。

カワセミは、水辺の宝石と言われる程、美しい小鳥ということは知っていましたが、カメラマンが大勢集まって撮影する程の人気者とは知りませんでした。

カワセミってどんな鳥なの?

カワセミは、ヨーロッパ、北アフリカ、南アジアなどにいて、日本でもほぼ全国の水辺付近で生息しています。北海道では夏鳥ですが、他の地域には一年中見かけます。

大きさは、スズメぐらいで、長いくちばしと大きな頭、そして頸・尾・足が短い小鳥です。カワセミが水辺の宝石と呼ばれる理由は、輝くコバルトブルーの羽を持っているからでしょう。

カワセミのコバルトブルーの秘密

カワセミの体の色は、コバルトブルーの青緑色という印象ですが、これは頭部と、背中の色です。腹部は、白い模様があるオレンジ色のような淡黄褐色で、短い足は赤色をしています。

なお、カワセミのコバルトブルーは、見るたびに違って見えます。例えば、カワセミは、水面すれすれに一直線に飛んで行くことがありますが、そんな時にはメタリック調の青い光に見えます。

このカワセミのコバルトブルーは、羽毛の微細構造が作っていて、羽毛に当たった光が屈折や反射をした時に影響し合って干渉する時に生み出される「構造色」でした。そのため、見るたびに違って見えていたのでしょう。構造色については、本ブログ(9/2)の「タマムシの金属光沢の秘密」の記事も参考になると思います。

すごいカワセミ

カワセミが凄いのは、こんなに小さな体なのに、水中に全身でダイビングして魚を捕まえることのできることでしょう。多分、同じサイズの鳥では、カワセミしかできないことだと思います。

カワセミは水中に入ると、目を薄い膜で覆って保護しながら魚を見ることができます。

魚の捕まえ方

カワセミは、木の枝などにとまって、或いは空中で静止しながら飛ぶホバリングをしながら魚を探しています。魚を見つけると、水の衝撃を減らすため、翼をたたんで一直線に急降下して水中に突入します。

カワセミは、長くて鋭いくちばしで捕まえた魚を頭から飲み込んでしまいます。そのため、胃で消化できない固い骨などは後で吐き出します。(鳥がこのように吐き出したものをペレットと呼びます)

カワセミの鋭いくちばしと雌雄の見分け方

カワセミのくちばしは、小さな体に比べるとかなり大きくて鋭く見えます。カワセミの鋭いくちばしは、新幹線がトンネル侵入時の風圧緩和のために、カワセミのくちばしを真似て設計したことでも知られています。

カワセミのくちばしの色は雌雄で違うため、オス、メスの区別に役立ちます。オスのくちばしは全体が黒色で、メスの下くちばしは赤色です。

魚を食べた後の休憩パターン

カワセミは、大きな魚なら1匹、小さな魚なら2〜3匹を食べると、木の茂みなどでじっとして休憩します。そして、1時間〜2時間経つと、また魚(あるいは、ザリガニ、カエルなど)を捕獲するために川辺に出てきます。

どうやら、カワセミはこのパターンで1日を過ごしています。そのため、カワセミを見たくなったら、過去に目撃した川辺付近で、1時間〜2時間じっくり待つことをおすすめします。

カワセミの子育て

カワセミは、通常は単独で生活していますが、繁殖期になると、オス、メスのペアになって春から夏にかけて、年に1〜2回ほど卵を産みます。

カワセミの巣は、川などの近くにある崖などに横穴の巣を作ります。穴は、直径7センチで、奥行きは50〜80㎝ほどもあって、一番奥に柔らかい土や食べた獲物の骨などを敷いて卵を産みます。卵は3つ〜7つ程生まれます。

しかし、小さなカワセミが巣穴を掘るのは大変です。土に巣穴をほるため、くちばしに泥がついてしまい頻繁に水辺でダイビングしなければなりません。

これ程、巣穴を掘るのは大変ですが、天敵に襲われにくいように、カワセミはダミーの穴を掘ることもあるようです。

産まれた卵は、20日間ぐらいで孵化(ふか)した後、親鳥からエサをもらって成長し、1ヶ月弱で巣立ちます。

まとめ

カワセミは、清流にしか棲めないと思われがちですが、近年では底が濁った水でなければ、汚い川や池でも棲んでいます。これは、崖などの棲み家が、護岸工事などでコンクリート化されて減ってしまったためでしょうか。

カワセミは、とても縄張り意識が強い鳥で、繁殖期以外は単独で行動しています。棲み家が減ると縄張り争いも激しくなってしまうでしょう。

護岸工事もカワセミの棲み家のことを考慮して、一部横穴が掘れるような、ちょっとした工夫がされることを期待します。