釣り人と同じ振舞で魚を獲るササゴイ

ササゴイの写真

ササゴイの写真

道具を使って虫を獲るカラスのことは知っていましたが、エサを撒(ま)いて魚を自分の近くにおびき寄せて、捕まえる「ササゴイ」というサギの仲間の鳥のことは知りませんでした。

そんな「ササゴイ」という鳥と、「ササゴイ」の魚の捕まえ方について紹介します。

ササゴイってどんな鳥?

ササゴイはゴイサギに似ているサギの仲間です。鳥類学的にはペリカン目サギ科ゴイサギ属に入っていて、何となくペリカンの雰囲気もあります。

ほぼ世界中に生息している夏鳥で、夏になると日本の本州、四国、九州にも飛来しますが、冬は九州などの暖かい地域で留鳥または、冬鳥として過ごします。

体は、ハトとゴイサギの中間ぐらいの大きさで、ゴイサギのクチバシを長くしたような形をしています。
サギ類は、河川や湖の付近にある森などの樹に巣を作って、さまざまな種が同じエリアで子育てをしますが、ササゴイはササゴイだけの集団で営巣、繁殖します。

ササゴイの魚の獲り方

ササゴイは、浅瀬を魚に気づかれないようにゆっくり歩いて、近づいてくる魚を長いクチバシでくわえて捕まえます。しかし、この方法ではチャンスが少なくて効率が悪いため、次のような方法で魚を捕まえることを覚えたようです。

投げエサ漁

魚たちは、昆虫などが水面に落ちると素早く飲み込む習性があります。ササゴイは、このような魚の習性を利用して漁をします。

エサなどをクチバシにくわえたササゴイは、魚に気づかれないように身をかがめて、水面にエサを落とします。その振動や音などに気づいた魚は、エサをめがけて突進してきます。この時、魚がササゴイの捕獲範囲エリアに入ると、すばやく跳びついてくちばしでくわえてしまいます。

水前寺公園や江津湖での凄い技

熊本市の水前寺公園や隣接した江津湖では、「投げエサ漁」の進化版の漁をみることができます。
その方法は、次のようなものです。

「投げエサ漁」の進化版で漁をすると、エサを投げ込んでから魚を捕まえるまでの時間は、1秒以内です。

それ程、すごい方法とは、投げたエサに近づいてくる魚を待つのではなく、『ササゴイの捕獲範囲エリアに入った魚の目の前をめがけてエサを投げ込むという方法です。』

ササゴイの漁の仕方は、個体や、その時の条件で異なりますが、世界中を見渡しても、これ程効率の良い方法で対応しているのは、水前寺公園と江津湖だけだと言われています。

進化版の漁が生まれた背景

熊本市の水前寺公園や江津湖は湧水(ゆうすい)に恵まれていて、とても澄んでいます。そのため、ササゴイからは、魚を見つけやすくて魚の動きをじっくりながめることができるのではないでしょうか。

その反面、魚からは、ササゴイの姿も見えやすいために、じっくりと策を練り、失敗の少ない漁を考えざるを得なかったのでしょう。

まとめ

鳥の頭脳はすばらしいということは、気づいていましたが、ササゴイの漁の仕方には工夫があって驚かされました。

人の世の中も、「思い通りにいかないのが人生だ」と言われていますが、困ったことがあった方が、長い目でみれば良いのかもしれません。