地球環境へ挑戦する昆虫たち

氷河の写真

氷河の写真

昆虫は、地球上の大抵の所には生息していて、昆虫がいないのは深海だけと言われています。トビムシの仲間は、氷点下65℃以下になる南極で生きています。逆に+40℃以上になる土地には、ユスリカ、ミギワバエ、それに温帯に棲むトビムシの仲間もいます。

海水の水面には、ウミアメンボやシオアメンボが、そして浅瀬の海水中には、ウミユスリカが生息しています。さらに塩田に棲むオオツノハネカクシ、油田にはセキユバエがいます。

また、とても生存できないような有毒ガスが出ている硫黄孔にもハンミョウやユスリカの仲間は生息しています。

もちろん、昆虫の種類に応じて棲む場所や環境は違いますが、何故、昆虫たちは、このように多様で過酷な環境にも進出できるのでしょうか。

今回は、耐寒性を確保するために、昆虫の体内で対応している対策を調べてみました。

超寒冷地で生息する昆虫の工夫

熱帯地域で発祥した昆虫の仲間の一部は、とても気温が低い高緯度地域に進出しています。彼らが行っている耐寒性には、2通りの方法があって、体が凍っても耐えられる「耐凍型」タイプと凍結すると死んでしまう「非耐凍結型」がありました。

耐凍型昆虫の体の工夫

耐寒性昆虫といっても、細胞まで凍ってしまえば死んでしまいます。そのため、耐寒性昆虫は耐凍性を強くするためにグリセロールやトレハロースなどの不凍化物質を脂肪体で作り出して体液中に溜めています。さらに、細胞内の凍結を防ぐために、細胞内の溶質濃度を体液よりも高くしています。

体を凍らせないための体の対応

以上のように耐凍結昆虫は、「不凍化物質を脂肪体で作り出して体液中に溜める」ことや、細胞を凍らせないために「細胞内の溶質を高濃度化」していますが、この方法には、細胞膜を通じて細胞内の水を細胞の外に溶出させ、細胞の外に蓄えられた凍結保護物質を細胞の中に入れることをしなければなりません。

耐凍結昆虫は、それらを実現するために、気温が低くなると細胞内に作りだしたアクアポリンという物質を使って、凍結保護物質だけを細胞内に取り込むことをしています。こうすることで、細胞内の溶質濃度が高くなって、細胞内が凍らないようにしていました。

非耐凍型昆虫の体の工夫

熱帯性の多くの昆虫は、「非耐凍結型」の昆虫ですが、彼らは、「耐凍型」昆虫と同じように、不凍化物質を体内に溜め込むことや、休眠する前に、氷の核になる腸内の内容物を排泄することなどで、凍結温度を極力低くするようにしていました。

まとめ

高温多湿の熱帯で誕生した昆虫は、以上のように寒さに強くなるための工夫をすることで、過酷な寒冷地にまで進出することができるようになりました。

昆虫の仲間の中には、乾燥している砂漠のような環境で生息している種もいます。彼らは、乾燥に耐えられるように体を進化させています。世界中の厳しい環境に進出している昆虫を調べると、本当にさまざまなことを知ることができます。楽しみはつきません。