梅の開花には化学物質が関与

梅の花の写真

梅の花の写真

梅の花は、花を咲かせる季節になると、毎年花を咲かせてくれます。

そんなのは決まったことだからと言われてしまいそうですが、考えてみれば、梅はどのようにして開花時期を知って、コンディションを整えて、毎年花を咲かせているのでしょうか?

調べてみると、梅の花は、特定の化学物質を作り出すことで開花時期をコントロールしていました。次に、この内容を紹介します。

梅の花が秋に咲かない理由

コスモスや菊の花は秋に咲いて、タネの形で寒い冬を乗り越えます。梅は夏になると、既に「芽」を作っています。それでは、何故、その年の秋に花を咲かせないのでしょうか?

それは、梅のような樹木は、コスモスや菊のように短い期間でタネをつくることが出来ないからです(コスモスや菊がタネを作るのは2ヶ月以内ですが、梅は3ヶ月もかかります)。

それでは、梅はどうやって寒い冬から「芽」を守っているのでしょうか?

梅の冬の乗り越え方

梅の「芽」は前年の夏にはつけているため、寒い冬から「芽」を守らなければなりません。その方法は次に紹介します。

寒さから芽を守る方法

夏が終わって秋になると、夜が長くなります。これを「葉」が感知して「アブシシン酸」という化学物質を作ります。

「アブシシン酸」は「葉」から「芽」に送られて「越冬芽(えっとうが)」と呼ばれる寒さに強い硬い芽に変える働きをしていました。

「アブシシン酸」の作用によって、寒さに強くて硬い「芽」になるため、梅の「芽」は、寒い冬を乗り越えていたのです。

冬を乗り越えたことを知る方法は?

「越冬芽(えっとうが)」は眠っている状態で冬を越しますが、それではどのようにして目覚める時期を知るのでしょうか?

「越冬芽(えっとうが)」を作った「アブシシン酸」という化学物質は、「越冬芽」中に多く存在していますが、この「アブシシン酸」は、低温にさらされると少しずつ減少していきます。

そして、低温にさらされた冬の時期を過ぎた頃になると、「アブシシン酸」は無くなってしまうため、「芽」は休眠から目覚めることができます。

このように「アブシシン酸」が無くなると、「芽」は自然に目覚めることができるため、冬を乗り越えたことを理解するのでしょう。

芽の成長を促す化学物質

「芽」は休眠から目覚めると、暖かなる気温に合わせるように「ジベレリン」という化学物質が作られます。この化学物質は暖かくなるに「芽」の成長を促して、開花を促進するため、梅の花は開花するようになります。

この開花するメカニズムは桜も同じです。しかし、仕組みが同じなのに、何故、梅の方が桜よりも寒い時期に咲き始めるのでしょうか?

梅と桜で開花時期が違う理由

梅と桜で開花時期が違う理由は、梅と桜の「越冬芽(えっとうが)」の眠りの深さが違うことによると言われています。

桜は梅よりも眠りの深さが深いため、厳しい寒さに長い期間さらされないと目覚めることができません。そのため、桜は梅よりも遅れて開花するのでしょう。

なお、梅が桜よりも寒い時期に開花するのは、梅は、受粉競争が比較的少ない時期を選んだのかもしれません。梅が咲くころは、まだ肌寒いですが、受粉をしてくれる虫や鳥は豊富にいて開花している花も少ないからでしょう。

まとめ

梅の花が開花する仕組みには、特定の化学物質が関与していました。その化学物質は、気温の変化に合わせて、新芽を寒い冬の気候から守ることや、新芽を目覚めさせて成長を促す働きまでを担っていました。