環境省の渡り鳥関連情報

オオハクチョウの写真

オオハクチョウの写真


10月になると、ハクチョウの飛来情報が入ってくるようになります。2018年10月4日には、酒田市の最上川に今季初めて飛来したコハクチョウのニュースが新聞に掲載されていました。

同市には、ロシア極東から日本に越冬地を求めてやってきたコハクチョウが休憩のため立ち寄るようです。最も数が多い時期は、10月末から11月上旬ごろで、総計15,000羽も降り立つと書かれていました。

このような情報を見るたびに、日本全体を俯瞰(ふかん)して見ることのできるハクチョウの飛来情報があるとありがたいと思っていました。

環境省のホームページには、年度ごとに纏められた全国の特定地域(39個所)における渡り鳥の飛来状況のデータが公開されています。このデータを使わせて頂き、今回は、オオハクチョウの飛来データをまとめることにしました。

伊豆沼へのオオハクチョウ飛来データ

環境省の特定地域(全国39個所)のデータを見ると、北海道を除くと「伊豆沼」に飛来するオオハクチョウが最も多く観察されているため、「伊豆沼」の2017年秋〜2018年春の期間のデータを用いて検討してみました。

伊豆沼と飛来する渡り鳥

伊豆沼は宮城県栗原市と登米市にまたがる淡水の沼です。この地域は、広大な湿地でしたが干拓による水田になったところが多く、雪が少なくて湖面も凍結しないことから、国内最大級の越冬地になっていて、ヒシクイ、マガン、オオハクチョウ、コハクチョウなどさまざまな水鳥が飛来しています。

オオハクチョウの飛来データ

伊豆沼へのオオハクチョウ飛来数

伊豆沼へのオオハクチョウ飛来数


上図は、伊豆沼へのオオハクチョウの飛来データ(2017年秋〜2018年春)です。環境省のホームページデータを使って、飛来数の傾向を見るため、折れ線でグラフ化しています。

このデータからは、11月の初旬から渡ってくるオオハクチョウが増えますが、12月中旬ごろになると半減します。おそらく、飛来するハクチョウの数が増えるため、休憩すると他の地域に行くのでしょう。

その後は、1月下旬ごろまで、この付近で滞在した後、子育てのため故郷に帰って行くのだと思われます。2月はじめに数が増えるのは、他の地域で越冬していたグループが、故郷に帰る途中で休憩のため立ち寄ったものと思われます。

まとめ

環境省で集計している調査データから読み取れるオオハクチョウの伊豆沼への飛来数から、オオハクチョウの越冬行動について検討してみました。

伊豆沼は、環境省が実施している本州の調査場所で、オオハクチョウの飛来数が最も多いため、ここのデータを使いました。

飛来数データは、次のような特長がありました。

  • 11月はじめから急激に増加して12月中旬頃に、一気に減少(ピーク時の半分以下)。
  • その後は、1月下旬ごろまで同程度の数で推移。
  • 2月はじめに一時的に数が増えた後は、次第に減少。

以上のような飛来数だけのデータからから推定しているため、精度は期待できませんが、次のことが推測されました。

11月はじめから伊豆沼に次々にやってきますが、一旦休憩すると、他の場所に移動して過ごすのでしょう。もちろん、伊豆沼付近で滞在するものもいるでしょうが、多くは、グループごとに各地に散らばってしまうのでしょう。

伊豆沼は環境も良くて素晴らしいところですが、他のさまざまな水鳥も多数います。そのため、大型のハクチョウは、滞在場所を移動しながら食料不足にならないように工夫しているのかもしれません。