日本にはいない不思議なツムギアリ

紡いでいる写真

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ツムギアリというアリは、木の上にサッカーボールほどの葉をつなぎ合わせた巣を作って棲(す)んでいます。

東南アジアでは普通に見られますが、樹上で生活する不思議なアリです。ツムギアリの特徴や、空中に作る巣の作り方や、生態などを紹介します。

ツムギアリの特徴

ツムギアリは、木の上に棲んでいる赤茶色をした体長1㎝程のアリです。手足と触覚が長いという特徴があります。一見すると、ヒアリを大きくしたような体形ですが、ツムギアリの顎(あご)はヒアリよりもかなり頑丈そうに見えます。

ツムギアリには、ヒアリのような毒針はありませんが、攻撃的で、弱った小動物がいれば集団で襲(おそい)かかって、ばらばらにして樹上の巣に持ち帰ります。かなり凶暴です。

ツムギアリの巣が攻撃されると群れで立ち向かってきます。大きな顎(あご)で噛みつき、強力な蟻酸(ぎさん)で攻撃します。たいていの敵はやられてしまうでしょう。

ツムギアリの巣

ツムギアリの巣は、サッカーボール程の丸い形をしていて、枝葉で作られています。巣内は、一つの大きな空洞になっています。

ツムギアリのコロニーは、一本の木の上に作られたサッカーボール大の巣の集まりで形成されています。ツムギアリの女王アリは、その中のどこかの巣にいて産卵しますが、生まれた卵はいくつかの巣に分散して育てられます。

ツムギアリの巣の作り方

ツムギアリの巣は、仲間の働きアリと力を合わせて樹上に作ります。最初に、数10匹の働きアリで木の葉の葉っぱを引っ張って、近くの葉の一部を重ね合わせます。この状態で葉を保持していると、さらに別の働きアリたちが幼虫をくわえてやってきます。

働きアリにくわえられた幼虫は、頭を左右に振りながら白い糸を吐いて、葉っぱが重なったところを、留めていきます。さらに別の幼虫が同じようにして、葉っぱを留めるため葉っぱは固定されます。

働きアリは、周囲の葉っぱを手繰り寄せて、幼虫の吐(は)く白い糸で固定することを繰り返します。こうして、サッカーボールのような丸い巣が完成します。

ツムギアリのたべもの

ツムギアリは、雑食のため、植物質と動物質を選ばずに何でも食べますが、同じ木の枝にいるアブラムシ、カイガラムシ、ツノゼミなどの甘い排泄物は、特に好きな食べ物です。

ツムギアリの天敵

攻撃的なツムギアリは、木の上の安全なコロニーで暮らしていると思っていましたが、実は恐ろしい天敵もいました。

恐ろしい天敵たち

  • エグリホソハナムグリ
  • 鎧(よろい)のような硬い体の甲虫で、ツムギアリの巣に穴を開けて侵入します。そして、巣内にいる幼虫をむさぼるように食べてしまいます。

  • アリノスシジミ
  • アリノスシジミチョウの幼虫ですが、硬い外皮に覆われていて、アリの幼虫を食べてしまいます。

  • アシブトコバチ
  • 巣の周辺で待ち構えていて、巣作りや修繕のために、働きアリがくわえている幼虫に卵を産み付けます。

  • カニグモ
  • アリに似た姿をしているクモですが、夜になると行列から離れたアリを捕まえて空中につるして食べます。

まとめ

木の上に丸い巣を作って棲んでいるツムギアリは、日本人には珍しいアリですが、東南アジアでは、あちこちで見ることができます。その他、オーストラリアやニュージーランドに生息しています。アフリカにも同じような習性のアフリカツムギアリがいます。

ツムギアリは、広い地域に生息しているポピュラーなアリのため、地域によっては人や家畜の食用として使われます。

ツムギアリの攻撃的な性質を利用して、アジア地域の果樹園などでは害虫駆除用として活用されることもあるそうです。

そんな、無敵とも言えるようなツムギアリにも天敵がいました。それも、かなりどうしようもない奴らです。
ツムギアリたちにエールを贈りたくなりました。