細長くて汚らしいジグモの巣

窓の写真(隠れ家)

窓の写真(隠れ家)


最近は、以前ほど見かけなくなったことから、ジグモの巣を見たことのない人もいると思います。ジグモの巣は、少し大きめの石の側面や木の根本や家の軒下の壁などに沿って作られた、ふわふわした細長い袋状の巣です。

ジグモの巣は、周囲の雰囲気に溶け込むように土や小さなゴミなどを表面に付けていて、汚らしいですが、時間をかけて丁寧に作ります。その袋(巣)の中で、ジグモは、静かに獲物を待ち伏せています。

そんなジグモのユニークな巣の作り方や、獲物の捕らえ方などを紹介します。

ジグモとは?

ジグモのことを調べ始めたら、子供の頃、ジグモの細長い巣を、ゆっくりと引っ張り出してツヤツヤした黒っぽいクモを捕まえたことを思いだしました。

ジグモは、10mm〜25mm程のサイズで、大きな牙とぷっくりと膨らんだ楕円形のお尻をしています。汚らしい巣とは違って、ツヤツヤした綺麗(きれい)なクモです。

ジグモに近い仲間には、トタテグモやキムラグモという古い系統のクモがいます。彼らは、乾燥に弱く、土中に穴を掘って生活しています。

日本にいるジグモは北海道を除いた、本州、四国、九州に広く生息しています。ジグモは、台湾や中国にもいるようです。

ジグモの巣の作り方と獲物の捕らえ方

ジグモは、穴を掘るのが苦手なクモです。そのため、地面に接した壁付近を調べて、穴を掘りやすい場所を選ぶことからはじめます。気に入った場所を見つけると縦穴を掘りはじめます。

穴の深さは個体の大きさで変わりますが、大きなジグモは10㎝ぐらいの穴を掘ります。ジグモは、穴を掘る途中で、穴の内壁を自分の糸で丁寧に裏打ちしながら行います。

つまり、穴の土壁が崩れないように、クモの糸を内壁に付着させながら、穴の底の土を外に出すことを繰り返して掘り進めています。

そして、目的の深さまで掘り終わると、地上部に延長して、適当な高さで壁に固定します。地上部は、獲物を捕獲する罠(わな)のため、ふわふわした外側に、土やゴミなどを付けることで周囲と同化するようにしています。

地上部の巣の作り方

ジグモは夜になると、ぷっくりとしたお尻を上に向けて逆さ向きになります。そしてお尻を左右に振りながら糸を出して、地下部の袋とつながった地上部の袋を作り始めます。

この作業も慎重に日にちをかけて少しずつ作ります。

地上部の長さは個体の大きさで違いますが、大きなものは、10㎝ぐらいです。袋が目的の長さになると、最上部を木の幹や壁に付けて完成します。

工数は、およそ5日ですが、ジグモは巣の完成後も、たびたび袋の内部から糸を裏打ちして補強します。そのため、月日が経過した巣は、袋の厚みが増して丈夫になります。

獲物の獲り方

ジグモは、袋の底のほうにじっとしていますが、獲物が巣に触れて袋が振動すると、素早く袋を駆け上がって、袋の内部から獲物に鋭い牙を突き刺します。

牙には獲物を麻痺させる毒があり、やがて獲物は動けなくなります。すると、獲物がいる部分の袋を破いて、袋の中に獲物を引き込んで地下部に一旦置いた後、破れた穴を修繕しに行きます。

袋の修繕をすると、獲物の体内に消化液を注入して溶かした体液を吸い上げて食事は終了です。そして獲物の残骸は、袋の上部を破いて外に廃棄されますが、破いた袋は同じようにして修繕されます。

繁殖期の行動

ジグモは、普段は地上には出ませんが、繁殖期になるとオスはメスの巣を探しに外に出てきます。

メスに気に入られたオスは、子孫を作るため、暫くメスの巣に同居しますが、オスの消息は途絶えてしまいます。メスの栄養になってしまったのかもしれません。

なお、オスがメスの巣に行って巣を脚で触ることで、メスは配偶相手であることを認識します。特殊な振動が伝わるのでしょう。

まとめ

ジグモは黒くてツヤツヤした大きなクモですが、子供の頃は手の平の中に入れて遊んでいました。獲物を麻痺させる毒を持っているようですが、小さな虫に効く程度の毒なのでしょう。

そもそも、噛まれたことはありませんから、ジグモにとっては、子供の皮膚でも硬いのかもしれません。

ジグモの巣作りのことを調べて、これほど丁寧に巣を作るクモだと知って申し訳ない気持ちになりました。子供の頃は、ジグモの巣を見つけると破って遊んでいました。(スミマセン)