クッチャロ湖のハクチョウ飛来データで連想したこと

クッチャロ湖 白鳥
クッチャロ湖

クッチャロ湖に集まるハクチョウ

クッチャロ湖

クッチャロ湖

北海道北部のクッチャロ湖は、日本で越冬するハクチョウ(主にコハクチョウ)の玄関口です。遠いシベリアから飛来したハクチョウの調査地点では、日本最北の中継地になります。そのため、春と秋には凡そ2万羽のハクチョウが集まって来ると言われています。

環境省が取得している渡り鳥飛来状況調査のデータから、クッチャロ湖に集まるハクチョウについて読み取れる内容を考えてみました。検討データは、2017年秋から2018年春の期間です。

なお、北海道のクッチャロ湖に飛来するハクチョウは、主にコハクチョウです。オオハクチョウは、北海道の北東部方面の湖(厚岸湖など)への飛来します。

ハクチョウ飛来調査のクッチャロ湖とは?

クッチャロ湖は、北海道北部の浜頓別町にある汽水湖で、周囲の長さは27kmもあります。砂が堆積してオホーツク海と隔てられている湖で、1km程の水路でつながっている小沼と大沼で形成されています。

大沼は、川として流出して、オホーツク海に流れ込んでいることから、塩分濃度は高くなっています。小沼は淡水に近いようです。

環境省が行っているハクチョウのデータは、湖全周でカウントしているそうですが、これ程大きな湖での調査は、多くの人々の協力で行っていると思います。本当に大変でしょうね。

クッチャロ湖へのハクチョウの飛来データ

クッチャロ湖ハクチョウ飛来データ

クッチャロ湖ハクチョウ飛来データ

上図は、クッチャロ湖へのハクチョウの飛来数データ(2017/10-2018/5)です。
コブハクチョウの飛来データもありましたが、数が少ないため、ここでは集計から除外しています。

ハクチョウ飛来数データで見えること

上図の飛来数データから読み取れることを次に示します。

  • クッチャロ湖へ飛来するハクチョウはコハクチョウが多く、オオハクチョウは少ない。
  • コハクチョウは、10月17日から飛来が始まり、増減を繰り返して推移し、2月頃はいなくなる。
  • 3月初め頃から飛来数が増えて4月末にピークになった後は、ほぼいなくなります。

飛来数集計のコメントから読み取れること

環境省の飛来数調査データには、渡り鳥に対するコメントが記載されています。この中からハクチョウに関係する内容をピックアップして上記データと合わせると次の事柄が見えてきます。

  • クッチャロ湖の上空には10月初めごろからハクチョウが飛来。(上空を通過、本州に向かう?)
  • 11月10日には上空通過のハクチョウはピークを過ぎる。それ以降、気温が下がり、湖面の凍結開始。
  • 12月20日頃は、湖面は全面凍結。凍結しない場所は、流出河川付近だけになって、ハクチョウも減少。
  • 2月中旬から下旬頃にかけて全面凍結。ハクチョウもいなくなった。
  • 3月初旬には気温が上昇して、流出河川付近に水域ができたため、ハクチョウが増え始めた。その後は、4月末頃までシベリアに帰るハクチョウで賑わう。

まとめ

環境省が取得しているクッチャロ湖への渡り鳥の飛来状況調査データ(2017/10-2018/5)を活用させて頂き、遠方から渡ってくるハクチョウの気持ちを想像することができました。

やはり、ハクチョウは寒いところが好きなのでしょう。湖面が凍結してしまうと、エサを獲ることが出来なくなるだけでなく、天敵から身を守る場所も無くなってしまいますものね。

そのため、仕方なく、凍結しない本州まで渡ってきてくれますが、氷が解け始めると直ぐに帰りたくなるのでしょう。

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