マーキング調査とはどんなものなの?

アサギマダラの写真

アサギマダラの写真

動物や渡りをする鳥などに標識を付けてから放すと、再度、捕獲された時に、どのくらいの期間をかけて、何処まで移動したのかなどの情報が判ります。これを、1匹だけでなく、多数で行うと、貴重な情報になります。

このような調査で個体の移動距離や、移動期間、気象条件、捕獲場所、捕獲時間などのデータを集めることで個体の生態や、移動ルートなどを探ることをマーキング調査と呼んでいます。

しかし、標識を付けるには、ある程度大きな個体でなければ、個体の活動に影響してしまうでしょう。アサギマダラのような蝶には、どのようなマーキングをするのでしょうか?

アサギマダラにマーキングする方法は?

アサギマダラは蝶ですが、幸いにして、10㎝もの大きさがあって、とても丈夫な翅(はね)をしています。しかも、翅には白い部分には、油性のフェルトペンで記号を書き入れることもできます。

調査用具

  • 虫取り網
  • 定規と温度計
  • カメラと時計
  • マーキング記録表と油性フェルトペン・ボールペン

マーキングの仕方

捕獲した蝶は、そっと翅を押さえて慎重に扱いましょう。日向で作業する時は、自分の体で影を作ってやるなどの配慮をしてください。

マーキング作業では、蝶を傷つけないように気を付けながら、次の内容を翅と記録表に記載します。

  • 標識日・・・当日の年月日を記入します。
  • 標識地・・・マーキングした場所。可能なら標高も記載
  • 記号・・・場所や標識を記載した人の人名などを記号で記載した時には、記号を判別する意味も記録します。

記録表への記載

記録表には、マーキング個体と対応できるようにして、マーキング時間、天候、気温、アサギマダラの性別、や鮮度(せんど)を記載します。

鮮度は、「新鮮」・「中くらい」・「古い」の3段階に分けます。この鮮度の判断は、翅の鱗粉(りんぷん)や翅の縁(ふち)の白点の毛の状態を確認して決めます。

翅の鱗粉と縁の白点が残っているものは「新鮮」に判定します。翅の鱗粉と縁の白点がかすれていて殆ど消失しているものを「古い」に区分して、その中間程度のものを「中くらい」に区分すると分類しやすいでしょう。

また、「破損」の項目は、翅の破れた状態を記録します。あまり細かく分類しないで破損の有無だけを記録して、破れた翅の状態は写真撮影をしておけば良いでしょう。

前翅長(ぜんしちょう)の測定値は、定規を使ってミリ単位で計測します。測定部は、前翅の付け根部の胴体にある大きめの白点と、前翅の先端までの長さです。

さらに、アサギマダラを捕まえた時に、蝶が行っていたこと、例えば花の蜜を吸っていたとかを記録して下さい。

捕まえた蝶に既にマーキングされていた時の対応

マーキングをするために捕まえると、既にマーキングされていることもあります。
その時には蝶のマーキング内容を記録表の備考欄に記載して、記録表に捕獲した蝶について通常の記録をしてください。その上で、蝶の翅の記載可能な場所に、年月日、場所、名前を可能な限り書き入れます。

マーキングした翅の写真撮影をしてから放せば失敗しないでしょう。

まとめ

アサギマダラのマーキング情報は、いくつかのWebサイトがありますので、マーキングした情報をサイトに記載しておくと、自分だけでなく、他のマーキング関係者にも役立ちます。

アサギネットというサイトは、最新情報が掲載されていて役立ちます。自分のマーキング情報なども記載できます。
URL http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/asaginet000.htm

旧名称で「アサギマダラプロジェクト」という「日本鱗翅(りんし)学会」がプロジェクトで行っているホームページ「渡りチョウを調べる会」もあります。
URL http://www.asagi-db.org/
きっと役立つ情報があることでしょう。