シロアリの天敵

朽木の写真

朽木の写真

オオハリアリは、1930年代に日本から北アメリカに侵入後、現地のアリを減少させるだけでなく、節足動物や植物を食べる昆虫類なども捕食して分布の拡大を図っていました。

このことは日本ではあまり知られていませんが、現地では生態系を脅かす深刻な外来種問題になっています。

オオハリアリは、日本の在来種で、シロアリを狩るアリです。シロアリからみると、とてもやっかいな天敵です。恐らく、シロアリにはどうすることもできないような病気を引き起こす微生物に次ぐ難敵でしょう。

オオハリアリはどんなアリなの?

オオハリアリは、アリ科ハリアリ亜科に属している、4mm〜5mmの大きさのアリです。

  • 体形と色・・・「細長い体形」、「卵型の頭部、三角形の大あご」、「光沢のある黒褐色の体色と褐色の脚」
  • 生息地・・・原産は日本(北海道以外の温暖な地域で生息)
  • 特徴・・・尻先端部に毒針(腹部を曲げて相手に突き刺す)
  • 好きな食べ物・・・シロアリ

シロアリにとって恐ろしいオオハリアリの生態

オオハリアリは、森の朽木(くちき)の中などに巣を作りますが、シロアリの巣に間借りをするように近くに棲んでいます。捕食されるシロアリにとっては、とても嫌な状況でしょう。

オオハリアリは、近くのシロアリの巣から、シロアリを連れ去って、巣に持ち帰ると分け合って食べてしまいます。しかし、シロアリは、オオハリアリに襲撃されても全滅しません。

その理由は、次のようにコロニーサイズの違いが影響しています。

オオハリアリの巣は、数100個体ほどの小さな集団です。オオハリアリが、シロアリの巨大なコロニーを襲って、できる限りのシロアリを捕獲しても、シロアリの巨大なコロニーから見ると影響は少ないと思われます。

オオハリアリにとっては、シロアリを養殖しているような感覚なのでしょう。

シロアリには、オオハリアリを防ぐ手段はないのでしょうか?

シロアリの防衛手段

シロアリの巣の部屋は、狭い通路で連結されています。シロアリの兵アリは、狭い通路の構造を生かして、オオハリアリが侵入しようとすると、堅い頭で塞(ふさ)ぎます。

まさに身を挺した防衛手段ですが、オオハリアリは強烈な毒針を使ってシロアリを攻撃します。この毒針に刺されると人でも強烈な痛みにおそわれるため、シロアリの場合は殆ど即死状態でしょう。

まとめ

シロアリの天敵と言われるオオハリアリは日本の原産種で、シロアリを好んで捕食する肉食性の強いアリでした。

シロアリの巨大なコロニーの近くに棲んでいるオオハリアリは、少数のコロニーで生活するアリです。冷めた目でみると、シロアリの数が増えすぎないように調整する役目をしているようにも感じますが、こんな天敵のアリが巣の近くに棲んでいたら、シロアリは嫌でしょうね。

また、北アメリカでは、オオハリアリの侵入は、外来種問題になっています。比較的寒さに強いオオハリアリは、シロアリ以外のエサへの順応をしながら、現地のアリをしのいで分布を広げているようです。

こんな恐ろしいアリが、日本の原産種だとは知りませんでした。