飼育箱を自作して、蟻を観察すると、ガラス越しに観る蟻たちに愛着がわいてきます。

女王蟻は1匹で産卵すると、やがて10数匹の幼虫が生まれます。この時、女王蟻は自分で幼虫に口移しで餌を与えたり、体を嘗めて清潔にしたり、繭(まゆ)を破ったりして、幼虫の世話をしますが、成長した働き蟻が増えてくると、自分では産卵すること以外何もしなくなります。

育児は、全て働き蟻の仕事になります。尚、働き蟻にも役割があって、外に出て餌を探すのはベテラン格の蟻です。それ以外の殆どの働き蟻は、巣の中でじっとしていて口移しで餌をもらい、その餌を腹に蓄えて幼虫を養います。

このじっとしている働き蟻も、幼虫を育てる時には一生懸命世話をして働きます。例えば、幼虫を抱えて乾燥した場所と湿った場所との移し替えをしたり、卵と幼虫、繭を整理して分けて置いたりします。そればかりでなく、働き蟻は女王蟻の体をなめて清潔にすることもします。

子育ての時期は、このように忙しく過ごしていますが、普段は巣の中でじっとしている蟻が殆どです。

たまに生きた餌を与えると、働き蟻が尻を持ち上げて蟻酸を噴射する光景等も観察できます。

蟻はきれい好きで、卵の殻等も片付けて所定の場所に集めます。

水(スポンジに水を含ませたもの)と、餌(ハチミツを水で薄めたもの、コオロギなどの動物性たんぱく質)を与ええて大切に育てると、10年以上は飼育できるようです。尚、巣を清潔に保つため、時々は飼育箱の大掃除は必要です。

米国で蟻の飼育に熱中している人の中には、大きな飼育箱を作って、その中の蟻の運動場に植物を植えこんで楽しんでいる人もいるそうです。

蟻を観察していると通路で行き交う蟻たちが、互いの触覚に触れあって、まるで会話をしているように見える時もあります。

私も、蟻を観察していると、他の事を全て忘れて、それに没頭してしまうことがあります。ですから大きな飼育箱を作る人の気持ちはよく判ります。