白鳥の渡りルート調査データ

日本に飛来する白鳥は、オオハクチョウとコハクチョウの2種がいます。次にオオハクチョウとコハクチョウの春の渡りについて調べたデータを紹介します。

オオハクチョウの春の渡りデータ

これは2010年頃に、日本の研究チームと米国の地質調査局アラスカサイエンスセンターの研究者との共同研究で得られたデータです。

調査は、日本を代表する水鳥の渡来地である「宮城県の伊豆沼(25羽)」と、北海道のオオハクチョウの渡来地として有名な「屈斜路湖(くっしゃろこ)25羽」から追跡したデータです。

「宮城県の伊豆沼(25羽)」

ここで越冬した後、2月下旬から3月中旬にかけて、北に向かって飛び立っています。彼らは、本州を北上した後、多くは北海道の東部に移動しています。これとは別に数羽は、北海道の西部から北部に移動しています。

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その後は、サハリンを経由してサハリン北部や、その付近のアムール川河口付近に北上し、オホーツク沿岸地域や、マガダン等に向かうルートに別れた後、ロシアの大河である、コリマ川やインディギルカ川等の中流域に到達しています。

この結果では、25羽の目的地は、かなり広範囲に分散しています。

飛び立ってから目的地到達までの日数(距離)は、平均で86日間(3800km)を要しています。

尚、1羽のみ、北海道からサハリンではなく、カムチャツカ西岸に向かった個体のデータも記録されています。。

「屈斜路湖(くっしゃろこ)25羽」

ここで越冬したオオハクチョウは、4月中旬から5月上旬にかけて飛び立っています。ルートは、伊豆沼から北海道の東部に飛来したものと同様の経路をたどっています。

飛び立ってから目的地到達までの日数(距離)は、平均で37日間(3100km)を要しています。

コハクチョウの春の渡りデータ

 

コハクチョウの調査は、北海道の北端にあるクッチャロ湖を起点に行われました。クッチャロ湖は、日本の各地に飛来したコハクチョウの多くが、最後の中継地として立ち寄る湖です。

島根県の方に飛来するコハクチョウは、日本海を渡って直接大陸に向かうと言われていますが、関東や東北に飛来した白鳥の多くは、クッチャロ湖経由と考えられています。

調査されたのは、2009年〜2012年の期間に合計27羽に、衛星用送信機(アルゴシステム)を付けて行われました。クッチャロ湖を飛び立ったコハクチョウ達は、概ね、オオハクチョウのルートと同じ方向でした。

 

つまり、サハリンの東岸もしくは西岸に沿うようにして北上してから、アムール川の河口付近やサハリン北部に移動しています。そこでしばらく休憩した後、オホーツク海を渡り、オホーツク海の北岸にあるマガダンやオホーツクに降り立ちます。

その後は、ロシアの東北部に位置するコリマ川に沿うようにして北上し、目的地に到着します。目的地は、コリマ川の河口付近のツンドラ地帯です。このツンドラ地帯が、コハクチョウの繁殖地になります。
コハクチョウの起点からの移動距離は平均すると、6500km、移動日数は、平均50日程でした。