アジサイにまつわる様々なエピソード

花・野草

アジサイというと梅雨の季節に咲くため、カタツムリが似合う。と勝手に思いこんでいましたが、実はアジサイの葉には、殆どカタツムリはいませんでした。

今回は、このような、アジサイの花にまつわる面白そうなエピソードをまとめてみました。

アジサイの葉にカタツムリがいない理由

アジサイとカタツムリはセットのように似合っていると思っていましたが、実はアジサイの葉にカタツムリは、殆ど見られないようです。

その理由は、次のようなものです。

カタツムリは、普段は殻の中に閉じこもってじっとしていますが、雨などが降ってきて湿ってくると餌を探すために殻から顔を出して移動します。

カタツムリは雑食性で、何でも食べますが、アジサイの葉には毒があるため食べることができません。そのため、カタツムリがアジサイに近づくことは少ないのだそうです。

そう言われてみると、雨の日に見るカタツムリは、ブロック塀などでは頻繁に見ましたが濡れたアジサイの葉にいるのを見たことがありません。

実は、カタツムリはブロック塀に含まれるカルシウムを摂るために、塀をかじっていました。カタツムリの殻には、カルシウムが必要だったからです。

アジサイの花がドライフラワーに適している理由

アジサイの花はドライフラワーに適していると言われています。
その理由は、実は花びらだと思われている部分は、「がく」だったからです。この花びらのように見える「がく」の部分は「装飾花(そうしょくか)」でした。

アジサイの本当の花「真花(しんか)」は、「装飾花」に囲まれた中央付近にある小さなものです。

ドライフラワーにする花は、花首や茎がしっかりしているものが適していますが、アジサイの「装飾花」は「がく」のため、固くてしっかりしています。そのため、ドライフラワーに適していたのです。

アジサイの花の色が、リトマス試験紙と逆の反応をする理由

アジサイの花の色は、植えられている土が酸性の時には、青色になり、アルカリ性の場合は赤紫色になります。

しかし、リトマス試験紙の反応は、酸性の時には「赤色」で、アルカリ性では「青色」に変わります。

 

アジサイの花の色の変化は、何故、リトマス試験紙の反応と逆になってしまうのでしょうか?
アジサイの花の色の色素は、アントシアニンでしたが、アントシアニンもリトマス試験紙と同様の色の変化をすることが判っています。(アントシアニンは、酸性の時に赤色になり、アルカリ性の時には青色に変化します)

ますます判らなくなりましたが、調べた結果、アジサイの花の色の変化は、土の中に含まれるアルミニウムが関係していることが判りました。

アジサイの花の色はアルミニウムイオンと花の色素が結びつくことで色づいていたのです。

酸性の土壌中にあるアルミニウムは、雨が降るとイオンとなって溶けだしてきます。そうするとアジサイは、アルミニウムイオンを吸収するため花の色素と結びついて、青色の花になるそうです。

ヨーロッパの土壌には、アルミニウムが含まれていないことから、アジサイの花は、本来の赤紫色の花が咲きます。もちろん、ヨーロッパでは品種改良を進めた結果、赤、ピンク、白などのアジサイの花を見ることができます。日本には、大正時代に伝わりました。

アジサイの原産国はどこでしょうか?

アジサイは、日本原産の植物でした。

日本の山に自生していた「コアジサイ」が元祖で、本来は小さな花が集まって咲く花でしたが、園芸品種として改良が進み、大きな花びらのような装飾花をつけるアジサイになりました。

セイヨウアジサイは、日本から伝わったアジサイが、ヨーロッパで品種改良されて日本に入ってきたものです。

日本を発祥としたアジサイの花が世界中で愛されて、品種改良されていたとは! ちょっと嬉しくなりました。

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