ツバメは、私が子供の頃は何処にでもいました。春になると飛び回り、軒先に来て巣を作る姿は、当たり前のような光景でした。

私が小学生だった頃は、校舎の入口にはツバメの巣があるのは普通でしたし、先生の教えや絵本に登場するツバメも、概ね良い仲間というような感覚だったと思います。

また、先祖からの言い伝えとして「ツバメが繁殖する家は栄える」とか、「ツバメがいると商売が繁盛する」などと言われていたようです。

こうして考えてみると日本人は子供の頃から、ツバメは良い鳥なので大切にしなさいと洗脳されるような環境だったと思います。

しかし、考えてみると不思議です。ツバメは、他の動物たちが怖れる危険な人間が住んでいる軒先で巣作りをして、しかもとても人から愛されていました。

今回は、ツバメが人に愛されている理由について考えてみました。

ツバメが人に可愛がられる理由

■一般的に言われているツバメが可愛がられる理由

ツバメは人間にとって害虫となる蚊等の小さな飛翔昆虫を食べてくれます。そして、スズメやカラス等のように、作物等は食べません。
そして、日本人は稲作をする農耕民族でしたから、害虫を食べてくれるツバメたちは人の役に立つ益鳥でした。

ツバメは、益鳥だったから人間から大切にされ可愛がられている理由です。

多分、この主張に反論する人はいないと思います。もちろん私も同感です。しかし、ツバメが人々に愛され可愛がられる理由には、次のようなことも加えなければならないと考えています。

■ツバメが人々に可愛がられるもう一つの理由

ツバメのように人々の近くで生活する鳥には鳩がいます。
鳩は民家の軒先に巣を作りませんが、人の多い駅で寝泊まりしています。しかし、鳩はツバメほどには人々から慕われてはいません。

その理由を考えてみると、

ツバメに比べると大きいため、群れでいると糞も気になるし、鳴き声も太い声で可愛くありません。また、駅の通路を歩き回って、餌をねだるため、うっとうしいと感じる人もいると思います。(ツバメは駅の通路を歩き回ることや、餌をねだることはしません)

また、ツバメがスマートに飛び回る姿をみると、羨ましいとさえ感じてしまいますが、鳩はバサバサと埃をまき散らすかのような飛び方をします。

そして、ツバメは民家の軒先で、家族単位で巣作りと子育てをするため、人々の親近感は増します。
そして、夏が終わると暖かい場所に行ってしまいますが、新しい春を迎えると戻ってきてくれます。

ツバメは、益鳥のために人々から大切に扱われていますが、ツバメが可愛がられている理由は、人間との距離感を適度な節度で保っているためではないかと思います。

つまり、

群れを作って迷惑をかけない
人間に餌をねだらない
群で塒(ねぐら)を占拠しない
巣作りと子育ての数カ月の短い期間のみ軒先を利用する

等々、人々がツバメを愛おしく感じてしまう要因ではないかと思います。

尚、最近近所では、あまりツバメを見かけなくなりました。ちょっと気になっています。