私は、福寿草(ふくじゅそう)の花を見ると、真冬の2月頃に雪の中から顔を出して咲く花のイメージがあります。ところが、福寿草の別名は「元旦草」と言います。つまり、1月1日に咲く花という意味です。

しかも福寿草は正月に飾る花をして年末に売られています。

調べたところ、この違和感は直ぐに解決しました。

■「元旦草」とよんでいた当時は、月の満ち欠けにもとづいた「大陰暦(らいいんれき)」でしたが、明治時代に「太陽暦」に切り替えたためでした。そのため、当時の1月1日は現在では、2月頃になっていました。

■年末に福寿草が売られていたのは、単に促成栽培していたからです。

このように、本来は、福寿草は真冬に咲く花でした。つまり、福寿草が咲けば、厳しい冬はピークで、もう少しで春が来ます。

私にとって、福寿草には、そんなイメージがありました。

しかし、もう少し待てば春が来ます。福寿草は何故、こんな寒い時期を選んで開花させるのでしょうか?

福寿草が真冬に花を咲かせる理由

植物が花を咲かせるのは、受粉をしてくれる昆虫等を呼び寄せるためです。春になると昆虫も増えますが、花を咲かせるライバルの植物も増えることから競争は激しくなります。

そのため、福寿草は、ライバルの少ない寒い時期に花を咲かせて昆虫を独占することにしたのです。(もちろん、この考えは植物学者の説です)

昆虫は、福寿草の黄色い花を目指して寄ってきます。
その理由は、花の中には甘い蜜があるからです。昆虫は、蜜をもらうために寄ってくるのです。

ところが福寿草には蜜がありません。では、福寿草はどうやって昆虫を呼び寄せているのでしょうか?

蜜のない福寿草が昆虫を呼び寄せられる理由

福寿草の黄色の花に集まるのはアブです。アブは福寿草の花に蜜がないことを知っていますが、福寿草の花に寄っていきます。
その理由は、福寿草の花が暖かいからです。

福寿草の花はおわん型のため、中央部に太陽光線を集めます。そのため、花の中央部は外気温よりも10℃も高くなります。

アブは福寿草の花の中に潜り込んで体を温めますが、この時、体に花粉を付けます。
体が温まって元気になったアブは、花粉を体につけて次の福寿草の花に飛んでいきます。

 

さすがに、真冬に花を咲かせる福寿草の戦略はすごいと思います。甘い蜜を昆虫に与えると福寿草の栄養分も摂られてしまいますが、太陽光線から得たエネルギーを活用しているのなら省エネですね。