花屋さんで一年中「菊の花」を買うことができる理由

日本では、菊の花は年中必要とされています。そのため、菊の花は温室栽培もされて一年中供給されるようになりました。

 

温室栽培ではどのようにして菊の開花時期を調節しているのでしょうか?

植物はどのようにして開花時期を決めているのか?

自然界の植物は、季節に従い丁度良い時期に花を咲かせます。

私は、単純に周囲の温度や日照時間などを感じて、つぼみをつけて開花させると思っていましたが、多くの植物は夜の長さを検知してつぼみをつくっていました。

短日植物(たんじつしょくぶつ)

夜(暗い時間)が長くなると、つぼみをつくる植物
・・・秋に咲く花

長日植物(ちょうじつしょくぶつ)

夜(暗い時間)が短くなると、つぼみをつくる植物
・・・春から初夏に咲く花

植物は、夜(暗い時間)の長さの変化を「葉」で感じることが判っています。

外部からの影響を受けない部屋でアサガオを育てた場合、葉・茎・芽・根のひとつだけを光から遮断すると、「葉」を覆ったときだけ「つぼみ」をつけることが確認されています。アサガオは短日植物のため、夏至を過ぎて夜の時間が長くなると花を咲かせます。

多くの植物は夜の長さ(暗い時間)で季節の変化を感じとっていることになりますが、その理由は何でしょうか?

多くの植物が夜の長さの変化で季節を感じとる理由

その理由は、夜の時間の長さの変化を読みとる方法では、

季節が移り変わって気温が変化するよりも、2ヶ月も早く判るからです。

例えば、これから真夏になっていく夏至の日には、昼と夜の長さは同じですが、夏至を過ぎれば夜は長くなり、12月下旬の冬至に最も夜が長くなります(冬至を過ぎれば夜の時間は短くなります)。

このように夜の長さの変化を感じとることで、花を咲かせるまでのプロセス(つぼみをつくる)期間を確保できるのです。

もしも気温の変化をセンサーにしていたら、暖冬や冷夏などの影響を受けてしまいます。夜の長さの変化に従う方が安心です。

菊の花を一年中買うことができる理由

菊の花は夜が長くなるとつぼみをつくる「短日植物」です。つまり、一定時間以上の暗さを感じると花を咲かせる準備の「つぼみ」をつけ始めます。

「短日植物」は光に敏感です。夜の暗闇に、弱い光が照射されるだけで反応してしまいます(夜と昼を間違えてしまいます)。

温室栽培の菊は、この性質を利用しています。

花を咲かせる時期を遅らせたい場合

夜間に照明をあてると、菊は昼と思い込んでしまいます。まだ夜の時間が短いと判断して、菊は「つぼみ」をつくりません。

花を咲かせる時期を早めたい場合

夕方になる前に温室内の光を遮断させてしまいます。菊は夜が長くなったと思い込んで、直ぐに「つぼみ」をつけはじめます。

 

植物が花の開花時期を調整する方法に、夜の長さの変化を感じ取っているとは知りませんでした。

気温を見ていたのでは、その年によって変わってしまうし、日々の変動大きくて不安定です。

また、日照時間のモニターでは、曇りの日や台風の日などでは随分時間が変わってしまいます。

多くの植物が採用している「夜の長さの変化」を感じ取る方法は、夏至と冬至を境にしているので真夏や真冬の時期を2ヶ月程先行していて、開花時期の準備もできます。これが最適なモニター方法でした。