私が会社員時代には、満員電車にうんざりして途中駅の新小平駅で降りて、国分寺方面に向かって歩くことが好きでした。

途中下車する時は、天気が良いので気分は良かったのですが、重苦しい仕事のことを考えて暗く沈み込むこともありました。

但し、駅を降りて、畑の脇道や住宅街を通り抜け、玉川上水に沿って歩く道は格別でした。
途中に綺麗な花等が咲いていると、気持ちはとても癒(いや)されました。

この綺麗な花の一つが、オレンジ色をした花を長く伸びた先端で咲かせていた「ナガミヒナゲシ」でした。

ナガミヒナゲシとは

ナガミヒナゲシは、春の4月・5月ごろに花を次々に咲かせてくれます。
地中海沿岸が原産で繁殖力が強く、雑草化しやすいようです。そのためか、通勤で歩いていた道沿いや、家のブロック沿いなどに、にょきにょきと生えていて、落ち込んだ気持ちを明るくしてくれました。

尚、ナガミヒナゲシには、他のヒナゲシと同様にアヘンの原料になるアルカロイドは含まれていないため、特別な規制はありません。

このナガミヒナゲシは、生育環境の栄養状態で大きさを変えて育ちます(15㎝~60㎝)。通常の植物は、繁殖に影響する花の大きさは変えませんが、ナガミヒナゲシは栄養状態に応じた大きさに咲きます。(合理的な植物)

尚、根と葉から周辺の植物の生育を妨げる物質(アレロパシー)が生み出されているため、近くに別の花を植えると影響するかもしれません。しかし、それなら、雑草対策に役立つかもしれませんね。

ナガミヒナゲシの繁殖力

ナガミヒナゲシは、秋の草刈り前後に芽生えてきて、冬を越した春になって一気に成長して花を咲かせます。

花は綺麗ですから、取ってしまおうと思う人は少ないと思います。そして、初夏の草刈りの時期になると種を実らせて、さっさと枯れてしまいます。

つまり、人にとっては、花を楽しませてくれて、じゃまにならない植物になると思います。

又、実の構造も優れています。長い茎の先に咲いた花が散ると、ぷっくりと膨らんだ細長い実がつきます。その実の上部には展望台の窓のように並んだ開口部があって、風で茎が揺れると、小粒のタネ(0.6mm)を振りまきます。

繁殖力が強い理由は、上のような事と、1つのさやに1,600粒ものタネがあるため、1株から8万粒~20万粒も作られるからと言われています。

ナガミヒナゲシは脅威を及ぼす植物なの?

驚いたことに、webに投稿されている記事をみると、ナガミヒナゲシは特別強力な繁殖力が合って、周辺の植物の生育を妨げる物質(アレロパシー)を作る有害な植物のため、駆除すべきだということが書かれていました。

しかし、冷静になって考えて下さい。

春になると、道端のあちこちに綺麗な花を咲かせて楽しませてくれます。

また、周辺の植物の生育を妨げる物質が含まれているからと言って、本当に周りの植物を駆逐しているのでしょうか?

私は、春から初夏ごろにかけて、殺風景のコンクリートの隙間から芽をだして、健気に咲いてくれるナガミヒナゲシの花から癒されています。

まとめ

ナガミヒナゲシの繁殖力の強さは良く知っています。以前、会社の帰り道にあったナガミヒナゲシのタネと自宅の庭にまきました。それ以来、毎年、きれいな花を咲かせてくれています。

ナガミヒナゲシは、庭の駐車スペースにあるコンクリートの隙間に溜まった土からも、芽をだして花を咲かせてくれます。そこでは、小さく伸びた茎から小さな花が咲きます。(栄養が少ないのだと思います)

ナガミヒナゲシのそんな仕草(養分に応じてサイズを変える)を観察するだけでも愛おしくなってしまいます。