ヒアリの発見情報のまとめ

アリ
ヒアリの絵

日本で発見されたヒアリの情報(2017年)

ヒアリの絵

2017年6月に最初にヒアリが発見されてから、2017年中に日本全国では、12都府県で、26事例もの報告がされています。環境省の資料で一覧表が閲覧できますが、件数の多さに驚きました。

また、ヒアリが発見された場合は、近くにトラップを仕掛けていますが、その後でトラップにかかったヒアリは、最初に発見された事例に含めているため、実際に発見されたヒアリは、26事例よりもかなり多いという印象です。ただし、追加調査の結果で発見された場合でも、最初の発見との関連性が不明確の場合は、1事例としてカウントしています。

これらの事例は、発見後に全て殺処分(含む、発見時に死んでいたもの有)をして、周辺のモニタリングや2km圏の調査も済んでいて問題ありませんが、環境省の26事例の内容を、まとめて整理してみました。

ヒアリ発見場所の国内北限(2017年データ)

ヒアリの多くは、船積荷物からに潜んでいるため、多くは港で発見されています。日本国内で発見された北限というと、誤解を招くかもしれませんが、港で発見された北限は、東京都品川区(大井ふ頭)です。

ただし、地図上の最北の発見場所は、海から離れた埼玉県狭山市になります。埼玉県で発見されたヒアリは、中国の黄埔港から東京都青海ふ頭に貨物船のコンテナ内で搬送されて来たものが、陸送されて埼玉県狭山市の事業所の倉庫内に保管されたものです。

ヒアリは、同倉庫内の積荷の梱包材上で、死骸(1個体)で発見されています。その後の調査で、コンテナ内や荷おろし場所周辺で、ヒアリの発見はなく、同事業所では、以前から殺虫餌を設置していたことも安心材料です。尚、死骸で発見されたアリは、専門家によってヒアリの女王アリと確認されています。

ヒアリ発見の件数(2017年データ)

2017年は、国内の12都府県で、26事例のヒアリ発見事例がありますが、発見された場所の周辺では、トラップを仕掛けて確認しています。それらのトラップで確認された件数を含めると、ヒアリが発見された件数は、40件でした。

ヒアリ発見場所の分類(2017年データ)

ヒアリが発見された場所と件数(2017年環境省資料のまとめ)

2017年ヒアリ検出データ


これらのデータを見ると、日本で発見されたヒアリは、現時点では、コンテナ及び、その周辺で留まっているようです。ただし、データの詳細を見ると、翅をつけた女王アリや雄アリ、幼虫やさなぎなども見つかっていて、働きアリの総数は数えきれないほどです。

発見されたヒアリの出港地(2017年データ)

日本で発見されたヒアリの出港場所をみると、90%程は中国の温暖な地域の広東省や福建省の港ですが、中国の天津から出航してきたコンテナからも見つかっています。天津は、日本の仙台や盛岡付近の緯度と同等の地域です。

ちょっと変わった出航地には、アフリカ北東部のジブチ共和国もありました。ただし、経由地の上海南方付近の中国・寧波港で、一時的に陸揚げて別の船に積み替えをしています。

これらのデータから読み取れるのは、中国大陸には、相当数のヒアリが生息しているということでしょう。そして、中国の天津から8月に出航したコンテナ内からも生きているヒアリが発見されていることから、比較的涼しい地域にも生存しているのでしょう。

ヒアリ発見データから読み取れたこと

ヒアリは、大陸の温暖域では、かなりの数がいるようです。しかも温暖域と言っても地球の緯度で生息域をみると、日本全域が含まれるほどです。

現在は、運ばれて来て陸揚げされたコンテナ周辺で主に発見されていますが、陸揚げ後に運ばれた倉庫内でも発見されています。

2018年になってからは、大阪府の小売店で購入した製品の梱包箱内にヒアリの死骸が確認されています。この梱包箱は中国の広東省で梱包されたものでした。現在は、インターネットで個人輸入も普通に行われています。海外からの輸入品は、箱の中にヒアリが潜んでいるかもしれません。

港付近の、防ヒアリ体制はしっかりしていますが、港から輸入業者の倉庫に運ばれて広がりを見せる可能性もあります。

ヒアリは、2.5mm~6mm程のサイズでとても小さいため、ただのアリと考えることもあるでしょう。ヒアリの定着を防ぐには、一人一人の意識を高めることが大切です。

港から離れているから大丈夫と思わないことが必要のようです。ちょっと怪しいアリを見かけたら直ぐに役所に連絡するのが良いと思います。

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