黒いシロアリ

日よけ笠と女性の写真

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白アリの本を見ていて、黒いシロアリがいることを知りました。写真を見ると、手足の先の方はチャイロですが、頭からお尻までは黒くてツヤツヤしています。このシロアリは、コウグンシロアリという種類で、隊列を組んで餌となる地衣類を採りに向かいます。(地衣類は体の中に藻類を住まわせて、共生しています。ウメノキゴケ・マツゲゴケなどは地衣類です。)

一般的なシロアリでも、ヤマトシロアリの羽アリは、黒色をしているそうです。

では、一般的なシロアリのワーカーが白色なのは何故でしょうか?

シロアリの色とは?

シロアリのワーカーは、薄い茶色のような白色ですが、実際には体の外皮が透明のため、内部が透き通って見えていたのです。その証拠に、例えば緑色の色素を食べさせると、腸管が緑色に見えるようになります。

シロアリの色は、外皮が透明だったからです。では、一般的なシロアリのワーカーは、何故透明の外皮なのでしょうか?

シロアリの外皮が透明の理由

一般的なシロアリのワーカーの外皮が透明なのは、外皮の中に「メラニン」を持っていないためでした。「メラニン」は、太陽光から照射される有害な紫外線から身体を守る役目をします。

メラニンの役目

シロアリが紫外線にさらされると、シロアリのDNAは傷付けられ、シロアリの腸内で共生している微生物は死滅してしまいます。そればかりか、シロアリの体内物質が有毒化してしまいます。

そんなことになったら、シロアリは生きていけませんが、通常のシロアリのワーカーは紫外線の届かない土の中や、木の中で生活しているため大丈夫なのです。

そう言えば、糞の中で暮らしているカブトムシの幼虫や、樹木の穴の中にいるクワガタムシの幼虫は白色です。光が届かない深海で暮らす生き物も白色をしています。きっと、メラニンを持っていないのでしょう。

貴重なメラニン

メラニンは、有害な紫外線から体を守る大切な役目を担っていました。

そんな重要な役目を担っているのなら、一般的なシロアリもメラニンを保有すれば良いと思いますが、メラニンは「チロシン」という貴重なアミノ酸で作られているため、不要なところには付けないのです。

自然界の生物は、生きるための必要最小限の資源を使って暮らしています。メラニンを作らなくて済むのなら、そのエネルギーや栄養を他に活用するでしょう。

まとめ

一般的なシロアリのワーカーが白色に見えるのは、メラニンを持っていない外皮が透き通っているために、体の内部の色が見えていたからです。

そのため、太陽光線を浴びてしまう「ヤマトシロアリ」の羽アリや、食べ物の地衣類を調達するために、外に出る「コウグンシロアリ」のワーカーは、メラニンを外皮に保有して黒色になったのです。