ダンゴムシを大きくしたようなヨロイモグラゴキブリ

ユーカリの木


オーストラリアの厳しい環境で暮らすヨロイモグラゴキブリは、夫婦で子育てをする珍しい昆虫です。ダンゴムシを連想させる体形にも癒されます。そんなヨロイモグラゴキブリを紹介します。きっと日常を忘れて地下空間で暮らすヨロイモグラゴキブリが浮かんでくるでしょう。

ペットして飼われるゴキブリ

夜の台所などに出現する、嫌われ者の第一人者と言えば、ゴキブリです。ところが、多くのゴキブリ種は、森の中でひっそりと暮らしているそうです。

人に嫌がられる害虫扱いのゴキブリ種は、全体の2%以下程度と言われていて、虫好きのマニアの中には、ペットとして飼う人もいます。今回は、人から好かれている巨大ゴキブリの「ヨロイモグラゴキブリ」を紹介します。

ダンゴムシのようなヨロイモグラゴキブリ

ヨロイモグラゴキブリは、オオゴキブリ亜科に属しています。オオゴキブリ亜科には、おなじみの「チャバネゴキブリ」や「キョウトゴキブリ」もいますが、形状や生態は全く異なります。

ヨロイモグラゴキブリは、巨大な種のカブトムシと同程度のサイズで重さは35gもあります。

ヨロイモグラゴキブリのからだ

ヨロイモグラゴキブリは、カブトムシのような赤茶色の固い外皮で覆われていて、嫌われ者のゴキブリが持っている長い触覚や翅はありません(短い触覚はあります)。

巨大な体を支える足には、穴を掘るための棘(とげ)のようなものがありますが、背中は、ずんぐりとしたダンゴムシや古代の三葉虫を連想させるような体節があって、ユーモラスな雰囲気に癒されそうです。オスもメスも似ていますが、オスの両肩には少しだけ出っ張りがあって、雌雄の区別はつきます。

ヨロイモグラゴキブリを現地(オーストラリアの山中)で捕まえた人の話では、田んぼにいる「ケラ」のように、シャベル状の前脚で指の隙間を、こじ開けようとしたそうです。動きもそれなりに活発で、油断をしていると逃げられてしまいます。

ヨロイモグラゴキブリの生活

ヨロイモグラゴキブリは、オーストラリアのユーカリが茂る森で、地面に巣穴を掘って家族で暮らしています。主食は、ユーカリの枯れ葉ですが、ニンジンなどを与えても好んで食べてくれます。

《森の環境》
ヨロイモグラゴキブリは、オーストラリアのクイーンズランド州にあるサバンナのような森林で暮らしています。アフリカのサバンナのような気候のため、雨季と、乾期がめぐりあう厳しい環境で、乾期になると、草は枯れて山火事も頻発するような所です。

《巣穴》
巣穴の深さは、40㎝から100㎝ほどで、螺旋状(らせんじょう)に掘り下げられています。現地で巣穴を掘った人の話では、穴の最底部に雨水が溜まり、そこから斜め上方に掘られたところが棲み家になっていたそうです。

巣穴の中には、ユーカリの枯れ葉や、植物のタネや青葉などもありました。ヨロイモグラゴキブリは、巣穴の中で、家族単位で暮らしているため、成虫のオスをつかまえた穴の中から、メスや子供たちも、ぞろぞろ見つかっています。

ヨロイモグラゴキブリの生態

ヨロイモグラゴキブリは、母親の体の中で卵からふ化します。つまり、生まれる時には赤ちゃんとして誕生します。20匹程が同時に生まれてきますが、体色は白色で柔らかいため巣穴から出ると直ぐに外敵の標的になってしまいます。

そのため、ヨロイモグラゴキブリは、両親で半年間もの間、外敵から子供を守るため、餌を与えるなどの世話をしながら同じ巣穴で生活します。

尚、彼らは清潔で、コーヒー豆のような糞は、巣穴の外の決まった場所にします。巨大なヨロイモグラゴキブリの穴は直ぐに見つかってしまいそうですが、彼らは、柔らかい砂をうっすらと入口にまぶして穴がみえないようにしています。とても几帳面な性格のようです。

まとめ

ヨロイモグラゴキブリは、気持ち悪い日本のゴキブリとは大分違っていました。見た目だけでなく、地面に穴を掘って枯れ葉を主食にするなど、まるで別種の昆虫のようです。

こんなゴキブリならペットとして飼育するマニアがいても不思議ではありません。日本で飼育している方は、熱帯魚を飼育するようなプラスチックなどの透明の容器に土などを入れて楽しんでいます。

熱帯魚の容器の場合は、巣穴を作るほどの深い土は入れられませんが、土の中に潜れる環境があれば問題ありません。腐葉土にヤシガラ土を混ぜると栄養豊富で、カビやダニも棲みつかない良い良好な土になるようです。もちろん、ユーカリの枯れ葉や水分は必要です。

ヨロイモグラゴキブリの寿命は、7年程度と長寿です。ダンゴムシのような、おちゃめな風ぼうなど、カブトムシを飼うよりもペットとして楽しめそうです。