葉っぱを食べられても平気なのは植物ホルモンの作用だった

新芽

植物ホルモンの作用を判りやすくするため、植物が葉っぱを食べられても大丈夫な仕組みを、オーキシンの作用で紹介しています。役割だけの説明では、頭に入りにくい植物ホルモンのことを身近に感じることが出来るでしょう。

植物ホルモンと役割

植物は、体の生長を調整する時に特別な有機化合物(オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、アブシジン酸、ブラシノステロイド、エチレン、ジャスモン酸など)を体内で作って活用していると言われています。これらは、植物ホルモンと呼ばれていて、微量で植物の調子を整えることや、生長する時のトリガーなどになります。

植物ホルモンは、どの植物にも存在していて、研究の進歩とともに発見されるため、少しずつ増えてきました。

現在発見された7種の植物ホルモンの役割を紹介します。
・オーキシン:細胞肥大、植物の生長。
 ・ジベレリン:細胞分裂と伸長。
 ・サイトカイニン:細胞分裂と芽の生長。
 ・アブシジン:落葉の促進と発芽。
 ・ブラシノステロイド:茎や体の伸長促進
 ・エチレン:果実の成熟促進と発芽。
 ・ジャスモン酸:落葉促進と、傷害ストレス時の対応。

植物ホルモンは、それぞれ重要な役目を担っている大切な物質ですが、判りやすくするため「オーキシン」について事例を交えて紹介します。

オーキシンの作用

オーキシンの意味はギリシャ語で成長(生長)のことです。オーキシンは、茎や根の伸長、茎の先端部の頂芽(ちょうが)の生長、果実の肥大や根を出させる発根(はっこん)、さらに、組織分化の促進や葉っぱの付け根部の側芽(そくが)の生長などに作用するとともに、果実や落葉を阻害する働きなどをしています。

《頂芽と側芽とは?》
茎の先端部の芽のことを「頂芽(ちょうが)」と呼んでいます。頂芽に対して葉っぱの付け根部にある芽のことを「側芽(そくが)」と呼んでいます。

オーキシンの働き方の例

肉食動物は草食動物を食べ、草食動物は植物を食べています。つまり、全ての動物は植物のおかげで生きることができるのですが、逆に植物から考えると、食べられることが宿命です。

植物は、このことを知っていて、食べられても大丈夫のように対処しています。

動物に食べられる葉っぱの位置

植物は発芽すると、茎の先端部の頂芽を伸ばしながら新しい葉をどんどん出して生長します。

草食動物が植物の葉を食べる時は、葉っぱの上部にある柔らかい葉を好んで食べるため、茎の上層部分は、大抵食べられてしまいます。ただし、新芽は茎の先端部だけではなく、全ての葉の付け根部にもあります。先端部以外の新芽は側芽(そくが)です。

側芽は頂芽が伸びている時には伸びない性質があります。この性質は、「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」と呼びますが、頂芽優勢のおかげで、植物は動物に食べられても平気で成長できるのだそうです。

オーキシンの作用の仕方

オーキシンは植物の生長に関与していて頂芽(ちょうが)で作られています。オーキシンの「頂芽優勢」という性質は、頂芽が形成されている時には、側芽の生長を抑制していますが、頂芽が食べられるなどして無くなってしまうと、次の側芽を頂芽として振る舞うようになります。

頂芽が無くなると、オーキシンは次の側芽を頂芽にして、そこでオーキシンを作り出します。新しい頂芽で作り出されたオーキシンは、茎を通ってそれより下にある側芽の生長を押さえるように作用します。

オーキシンは、このように作用して新しく頂芽となった「芽」を生長させていくため、時間の経過とともに食べられる前と同様の姿に戻れるのです。

まとめ

植物ホルモンのオーキシンは、ギリシャ語で成長(生長)を意味していて、茎や根の伸長、茎の先端部にある頂芽の生長、果実の肥大や根を出させる発根(はっこん)への作用、などをしていますが、植物を生長させるだけでなく、動物などから食べられても大丈夫なように、体を守るための処置もしていました。

植物が葉っぱを食べられても大丈夫なことを、オーキシンの働きで紹介しました。

植物ホルモンは、植物の体内で微量に作り出されています。

植物ホルモンによって、植物の調子は整えられ、生長時や、季節の変わり目などの節目で大切な刺激物質になっていることを理解して頂けたことでしょう。