甲虫が輝く理由とは?|装身具や装飾品に使われているタマムシの輝き

テントウムシ

テントウムシ

地上で約37万種もいる甲虫の殆どは、天敵の多い自然界で特別目立つ色で輝いています。この記事では、甲虫が輝く理由と、古い時代に宝石のように装飾品として使われた事例を紹介しています。

甲虫がきらめく理由

甲虫は、地球で最も繁栄している昆虫(約100万種)の中で約37万種もいると言われています。哺乳類(約4,000種)や鳥類(約9,000種)と比べると比較にならない程多いのがわかります。

昆虫は骨がないため頑丈な外骨格で体を支えています。甲虫は、昆虫綱の中の甲虫目に分類されていて、硬い前翅(ぜんし)によって、薄い膜状の後翅(こうし)や腹部を鎧(よろい)のように保護しているという特徴があります。

甲虫は、鮮やかな色や輝く色のものが多いと言われていますが、天敵の多い自然界で特別目立つ色で輝くのは何故でしょうか? 昆虫学者たちの見解は、次のようなものでした。

警告色の役目

テントウムシは、昼行性で可愛らしくて目立つ模様をしています。丸い背中に「赤地に黒の水玉模様」のテントウムシは子供たちにも人気がありますが、とても目立ちます。天敵の鳥には直ぐに見つかってしまうでしょう。

ところが、テントウムシは天敵に捕まると、体から茶色や黄色の液体を出します。この液体は臭い匂いや、苦い味のため、同じ鳥は二度と食べようとしなくなります。

甲虫の天敵である鳥には、一般的に光るものを警戒する習性があります。どうやら、目立つ色は敵への警告色のようです。

保護色の役目

熱帯地方では、ぎらぎらした太陽光線が降り注ぎます。このような地域では、金属光沢で覆われている方が見えにくいと言われています。日本のような気候では判りませんが、強烈な日射しを浴びる熱帯では、金属光沢は保護色の役目をしているのでしょう。

体温上昇を防ぐ役目

甲虫は、普通の環境でも体温調節できず、小さな体のため、直ぐに周囲の気温の影響を受けてしまいます。つまり、熱帯地方に棲んでいる甲虫は、強烈な直射日光を浴びると、体温が急上昇して、命の危険にさらされてしまうでしょう。

甲虫は、強烈な直射日光を金属光沢で反射して、体温の急上昇を防いでいるのでしょう。

装飾品として使用されたタマムシの輝き

甲虫の輝きの中でも特別な美しさで人々を魅了するのは「タマムシ」です。その輝きは宝石にも匹敵します。仏教工芸品として国宝になった法隆寺の「玉虫厨子(たまむしのずし)」には、5,000匹分のタマムシの前翅(ぜんし)が使われています。

国外では、ブリュッセル(ベルギー)の王宮殿の天井やシャンデリアの装飾品として、140万匹のタマムシの前翅(ぜんし)が使われていると言われています。

まとめ

地球上で最も繁栄している昆虫の中でも約37万種もいると言われている甲虫は、硬い前翅(ぜんし)を持っていて、薄い膜状の後翅(こうし)や腹部を鎧(よろい)のように保護している特徴があります。

甲虫は、鮮やかな色や輝く色のものが多いと言われていますが、天敵の多い自然界で、特別目立つ色で輝く理由は、昆虫学者たちによって「警告色の役目」、「保護色の役目」、「体温上昇を防ぐ役目」、と説明されています。

確かに納得してしまう理由ですが、実際に甲虫になってみないと本当の理由は判りませんね。

装飾品として使用されたタマムシの輝きは、タマムシが死んでも失われないため使われたのでしょうが、消失する自然を目の当たりにしている現代人から見ると、複雑な気分になってしまいます。