ハチミツは花蜜をミツバチの酵素で化学変化させた加工品だった!

蜜をとるミツバチ

蜜をとるミツバチ

ミツバチによってハチミツの作られる仕組みや、巣までの運び方などを中心に紹介します。花蜜を運んでハチミツ作りに精をだすミツバチを愛おしく思えるでしょう。

ハチミツは化学変化したものだった!

ハチミツは、ミツバチたちがお花畑から集めて来たものと考えている人もいるでしょう。私もそう思っていましたが、ハチミツは花の蜜をミツバチの体で加工して出来ていました。

《ハチミツの作られ方》
ミツバチは、花の蜜を口で吸って巣に持ち帰ります。口から吸われた花蜜(ショ糖)は、ミツバチの唾液に含まれる酵素などの働きで、ブドウ糖と果糖に分解されます。

さらにミツバチが巣に戻ると働き蜂に蜜を口移しします。蜜を貰った働き蜂は別の働き蜂に口移しで蜜を与えます。蜜は、このようにして働き蜂の体内で何度も加工されるうちに完全にブドウ糖と果糖に転化してしまいます。

ミツバチたちによって巣に集められたブドウ糖と果糖は、ミツバチの羽ばたきで水分を蒸発・濃縮後にフタをしてハチミツとして貯蔵されます。ミツバチによって濃縮されたハチミツの糖分は、花蜜時に(40%)だったものが80%にもなっています。

《花蜜はどうやって運ぶの?》
ミツバチの口から吸った花蜜は、腸の手前にある「蜜胃(みつい)」と呼ばれる袋に蓄えられます。蜜胃と腸の間は弁で閉じられていて、蜜胃が一杯になると巣に持ち帰ります。

ミツバチは花蜜を食べても、腸まで到達して消化吸収しないような仕組みを持っていたのです。腸の手前にある袋は弁で分離されていますが、食事をする時には弁は開いて腸とつながります。

ハチミツが長持ちする理由

ハチミツには、抗菌作用があって長い期間保管しても腐らない秘密があります。

《腐りにくい理由》
ハチミツが腐りにくいのは、次のようにして、細菌を死滅させてしまうからでした。

  • 水分を発散させて濃縮したハチミツは、浸透圧が高くなっています。そのためハチミツ内に細菌が入ると、細菌は細胞内の水分を奪われて死滅します。
  • ミツバチの唾液には微量のグルコースオキシダーゼと物質があって、活性酸素の一種である過酸化水素を発生させます。この過酸化水素の強い酸化力は細菌を死滅させてしまいます。

ミツバチが同じ花の蜜を集める理由

ミツバチは、野原に飛んで行って花蜜を採集してきます。そのため、さまざまな花の蜜が混ざってしまうことが懸念されますが、お店で販売されているハチミツは特定の花毎に分けられています。

これには、次のようなミツバチの習性が関わっていました。

ミツバチは、一つの花を採集すると、可能な限り、その花の蜜だけを集めるという性質を持っていて、豊富な蜜源を見つけると、激しく飛んで仲間のミツバチに知らせます。そのため、特定の花のハチミツを大量に集めることができるのでしょう。

《後ろ脚が花粉で太くなったミツバチ》
花蜜を収集するミツバチは、後ろ脚に花粉を集めて丸くなったように見えることがあります。これは、後ろ脚にある花粉かごに花粉を集めた花粉団子です。ミツバチは、花粉団子を巣に持ち帰ってから幼虫のエサにします。

まとめ

ハチミツは、ミツバチがせっせと集めた花蜜の集まりだと思っていましたが、ミツバチの体内で化学加工されて作られるものでした。

これで、直に花の蜜を吸った時と、ハチミツを食べた時の違和感が判りました。

ミツバチは、唾液に含まれる酵素で花蜜(ショ糖)をブドウ糖と果糖に分解後、水分を飛ばして、糖分を花蜜時の2倍(80%)にしていました。

ブドウ糖と果糖は、これ以上分解されることがない単糖類のため、体内では消化器官に負担をかけないで短時間で吸収されます。

また、ハチミツは、侵入した細菌を死滅させるため腐りにくいと言われています。驚いたことに、古代エジプトのツタンカーメン王の遺跡から発見されたハチミツは腐っていなかったそうです。

ミツバチの体内で加工されたハチミツは、花蜜が持っていない素晴らしい性質を持っているようです。自分たちの仲間のために健気に働くミツバチと美味しいハチミツに感謝して暑い夏をのりきりましょう。