根粒菌は、何故地中内で窒素固定するの?|空気中に豊富なのに?

エダマメ

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マメ科植物などの根のコブ内部に棲んでいる根粒菌の働きと、厚い壁で守られたコブの中で活動しなければならない根粒菌の特殊な事情について紹介しています。

根粒菌とは?

根粒(こんりゅう)は、マメ科植物などの根にある丸い数ミリメートル程のコブのような器官のことです。この中にはバクテリアの一種である根粒菌(こんりゅうきん)という土壌微生物が生息しています。

根粒菌は、大気中に80%もあると言われる窒素分子(ちっそぶんし)を窒素化合物のアンモニアに変換(窒素固定)して植物の飼料となる窒素を植物に供給する働きをしています。

もちろん、根粒菌は無償で窒素を供給しているわけではなく、マメ科植物からは光合成で得た「糖分」をもらう共生関係が成立しています。

空気中に豊富にある窒素は使えないの?

窒素は、タンパク質の材料になるため植物にとっては無くてはならない物ですが、光合成で得られる炭素・水素・酸素と違って土壌から吸収しています。

空気中には80%もの窒素分子が存在していますが、この窒素分子はとても安定していることから、この窒素分子を体に取り込んで使える形にすることはできません。植物だけでなく、動物にもできません。

これが、空気中に沢山ある窒素を、そのまま取り込んで利用することができない理由です。

根粒菌が地中内で窒素固定する理由

根粒菌は、ニトロゲナーゼという酵素(こうそ)を持っていて、酵素の働きで安定している窒素分子を生き物が利用できる形に変えることをしています。

しかし、なぜ空気中に豊富にある窒素を使わないで、わざわざ土壌内で対応しなければならないのでしょうか?

それは、ニトロゲナーゼという酵素が、酸素を含んだ空気に触れると壊れてしまうからです。植物の根にコブのような部屋を作るのは、酸素を含んでいる空気から根粒菌を守って酸素の少ない条件で窒素固定できるようにしていたのです。

もしも、ニトロゲナーゼ(酵素)を葉に棲まわせたら、そこは酸素が豊富で生きていけないでしょう。

《根粒がニトロゲナーゼを酸素から守る工夫》
根粒は、酸素に弱いニトロゲナーゼのために次のような工夫をして酸素濃度があがらないようにしています。

  • 根粒というコブは厚い壁に囲まれた頑丈な部屋のため、酸素を含む空気が入りにくくなっています。
  • コブの内部には、酸素濃度が上がらないように酸素を吸着するタンパク質もたくさんあります。

 

まとめ

マメ科植物などの根のコブの内部に棲んでいる根粒菌の働きと、厚い壁で守られたコブの中で活動しなければならない根粒菌の特殊な事情について紹介しました。

自然界では根粒菌の働きで、肥料のアンモニアを作り出すことができますが、工業的に化学肥料のアンモニアを製造するには、超高圧(1000気圧)・高温(500℃)の条件が必要です。

まだまだ植物に見習うべきことは多そうです。