本当はペンギンの脚は長かった!|脚にかくされた熱交換システム

ペンギン

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愛くるしいペンギンの歩き方は、極寒の地で生き残るための体の構造上、仕方のないものでした。短いと思っていたペンギンの脚は、実は長かったのです。この記事では、ペンギンの脚の構造と、優れた熱交換システムについて紹介しています。

▼目次

    1. ペンギンはなぜ短い脚で長時間氷の上にいられるの?
    2. ペンギンの脚の構造
    3. 長い脚を体内に隠すことになった理由
    4. ペンギンの熱交換システム
    5. まとめ

    1.何故ペンギンは長時間氷の上にいられるの?

    ペンギンを見て可愛いと思う人は多いでしょう。特に子供たちには絶大な人気です。

    短い足と、ずんぐりむっくりしている体で、歩きにくそうに、ピョコタンピョコタンと歩く姿はいっそう可愛さを引き立てます。

    でも考えてみると、あんなに寒い南極なのに氷の上に長時間立っていられるのは何故でしょうか。ハクチョウなどは、足に特別な熱交換システムがあって、冷たい脚の温度を直接体内に入れないようにしています。

    ペンギンにも、そのようなシステムは有るのでしょうか?

    2.ペンギンの脚の構造

    驚いたことに、ペンギンの骨格を見ると脚は長かったのです。

    ペンギンの脚は分厚い脂肪や羽毛で隠されていますが、椅子に座っているように折りたたまれていて短くはありませんでした。

    これでは、確かに歩きにくいでしょう。

    人が椅子に座った状態で足首付近を動かすだけで歩行することを想像すれば、ペンギンがヨチヨチ歩きになってしまうことも判ります。

    流氷

    流氷

    3.長い脚を体内に隠すことになった理由

    ペンギンは、南極のような極寒の地域で暮らすため、体温放出の激しい長い脚を体内にしまわざるを得なかったのでしょう。その上で、次のような熱交換システムで体温の放出を防いでいたのです。

    4.ペンギンの熱交換システム

    ペンギンの体には暖かい血液を体の隅々に送る動脈があります。当然、脛(すね)や脚先にも動脈が絡みついていて脚の温度を上げようとします。

    極寒地では脚先ほど体温は低下しますが、ペンギンの脚が長いおかげで、動脈が絡みつく距離も長くなって、脚の温度の下がり過ぎを防いでくれます。

    ペンギンの優れた熱交換システムでも脚先に行くほど温度は低くなります。ただし、外気にさらされている脚と外気温の差が小さくなるため、体温の放出も少なくなるように作用します。

    5.まとめ

    愛嬌のあるペンギンの姿をみるたびに、脚が短いと思っていました。ところが、ペンギンは極寒地で生きるため長い脚を体内に隠していたのです。

    ペンギンは、長い脚を椅子に腰かけるように折りたたんで羽毛と脂肪の内部にしまっていました。脚首付近から脚だけを外気にさらしていたため、地上(氷上)を歩く時は、歩きにくそうにならざるを得なかったのです。

    ペンギンは、「長い脚」に暖かい動脈をからませて温めていました。「長い脚」で温めるための距離をかせいでいたのです。ただし、極地の冷たい外気に表面積の多い「長い脚」をさらしてしまうと熱の流出が多くなることから「長い脚」は、脂肪と羽毛の内部にしまっていました。

    「長い脚」に暖かい動脈を絡ませて脚の温度を維持するシステムでは、脚の先に向かうに従って血液の温度が低下してしまいます。実は、これが絶妙な技でした。

    温度の放出特性は、温度差があるほど急激に熱を逃がしてしまうからです。外気に出ているペンギンの脚の温度は細胞活動が維持できる程度の低い温度になっているため、体温の流出を防いでいるのでしょう。

    ペンギンの脚の熱交換システムがあることは想像していましたが、考えている以上に優れたシステムでした。