水草は、陸上から再び水中へ生活圏を求めて進化した植物だった

水面に浮いている水草

水面に浮いている水草

水草とはどんな植物なのか、どのような進化を経てきたものかについて、植物学者たちの研究成果や、書籍を参考にして判り易い表現で紹介しています。

▼目次

  1. 水草とはどんな生物なの?
  2. 生息域を陸上から水中に戻した生物
  3. 植物の進化
  4. キャッシュの注意事項
  5. ポイントのまとめ

1.水草とはどんな生物なの?

植物の祖先は、約12億年前に水中で誕生しました。地球の歴史を見ると、46億年前に地球ができあがり、40億年前には生命が水中で生まれたと言われています。

地球上の生き物は全て水中で誕生した後、植物も動物も陸上に進出していきました。これが地球上の生き物の進化の流れです。

ところが、せっかく陸上に進出できたのに、再び水中に戻ってしまった生物がいました。

1-1.生息域を陸上から水中に戻した生物

  • 爬虫類では、絶滅してしまった魚竜の仲間
  • 哺乳類では、クジラやイルカの仲間
  • 植物では、水草類

このように水草は、陸上生活から再び水中に戻った植物でした。水草は、陸上から水中に戻ることで進化した植物で、なおかつ一定期間、葉や茎の一部が水中に存在する。或いは、水面に浮いている植物と決められています。

2.植物の進化

およそ12億年前に水中で生まれた植物は進化を重ねて、5億年前に陸上への進出を始めます。コケ類、シダ類、種子植物類などが陸上進出に成功しました。特に種子植物の中で花を咲かせて虫を引き寄せる被子植物は、繁栄を極めた昆虫とともに多様な進化をしました。

このような大きな進化の流れの中で、せっかく陸上への進出に成功したのに、水草は再び水中に生活圏をもとめて進化したのです。

しかも、一部の種が水中に戻ろうとしたのではなく、200種以上の植物グループで試みられて水草が誕生したことが判っています。

哺乳類のクジラやイルカは同じ祖先だったことを考えると、植物たちにとって陸上での生活は耐え難いものだったのでしょう。

植物は、太陽からの有害な光線をまともに受けてしまいますが、動物たちは場所を移動して植物の陰に避難することや穴の中に潜ることもできます。そんなことを想像すると、多くの植物たちが水中生活に戻りたいという気持ちも判ります。

2-1.水草の歴史

サンショウモ

サンショウモ

最初に誕生した水草は、コケ植物で凡そ4臆5,000年前と推定されています。次に生まれた水草は、スギナの仲間のトクサ属で約3億年前と推定されています。

湿地で生息するミズニラの仲間は、1億9,000年前に現れて以来現在まで、最も長い期間生息している水草として注目されています。

水田や池の水面に浮いているサンショウモや、デンジソウの仲間は、1億6,000年前に出現したと推定されている水草です。

サンショウモと四葉のクローバーに似ているデンジソウは、外見は違いますが、ともに胞子をもっています。遺伝子研究によって姉妹の関係ということが確認されています。

研究者は、これらは同じ祖先だったが、水中に進出した後の環境変化で、異なる見かけに変化させたと推測しています。

3.ポイントのまとめ

水草は、水中から陸上生活に進出したものが、再び水中に戻って進化した植物でした。クジラやイルカも同様ですが、同じ種です。

水草は、陸上に進出した200種以上のさまざまな植物グループで、再度水中に戻ろうとしたことが判っています。

水中生活に戻ろうとした試みは、移動することのできない植物にとって、有害な太陽光線を和らげるための一手段だったのでしょう。