気軽に皮を剥けて直ぐに食べられるバナナは、免疫力を高めるとも言われていて大変人気があります。バナナにはタネがありません。タネのないバナナは世界中で売られています。一体どのようにして子孫を増やしているのでしょうか?
▼目次
1.バナナはどんな木に実をつけているの?
映像でバナナがたわわに実っているのを見たことはありますが、数メートルにもなる大きさを無視すると草のような葉っぱが目につきます。
調べたら、バナナは、木ではなくて多年草の草でした。
2.バナナはどんな植物なの?
日本のスーパーマーケットに行くと、入口の目立つ場所にバナナは年中置いてあります。
当然、バナナは世界中の熱帯域で栽培されていますが、驚いたことに、バナナは一生に一度しか実をつけないのだそうです。
バナナの地上部は、実をつけた後で枯れてしまいます。これでは、大量生産は無理だと考えてしまいますが、地下部は生きていて次の世代を担う準備をしていました。
バナナの地下部には、「地下茎(ちかけい)」と呼ばれる膨らんだ塊があります。バナナは、地下茎を枝のように広げて、新芽を出すことで増えていたのです。
2-1.バナナの種類
バナナの品種数の特定はできていませんが、大きな分類では、調理して食べる、デンプン質が多くて甘味が少ない品種と、生で食べる生食用の甘いバナナに分けられます。
3.バナナにタネがない理由
食用になっていないバナナには多数の実が入っているものもありましたが、タネがあると食用には適さないため、大量生産されるバナナにはタネがありませんでした。
多くのバナナにタネがない理由は次のようなものでした。
- 受精しないのに、子房・花被・花托などが肥大して果実を作る「単為結実性(たんいけつじつせい)」。
- 受精しても胚発生が中断されて、タネができない「種子不稔性(しゅしふねんせい)」。
- 染色体セットが奇数のため、半分に分けられずに種子ができない「三倍体性(さんばいたいせい)」。
「単為結実性」は、実の中には完全なタネができません。トマトや、パイナップル、ミカンにも見られる現象です。
「種子不稔性」は、突然変異で発生した系統です。バナナ・ブドウ・モモに見られます。
「三倍体性」は、通常の父、母から1対ずつ受け継いで、二倍体になれないため、正常な花粉や卵細胞ができません。
現在量産されているバナナは、タネが無い方が食べやすいため、自然発生した三倍体種子なし種や、突然変異で生じた種子不稔性などの品種が、人によって長い年月をかけて選別されたものと言われています。
4.ポイントのまとめ
スーパーマーケットで販売されているバナナにはタネがありません。
理由は、突然変異などで「単為結実性」「種子不稔性」「三倍体性」などになってしまったバナナ種を、人の手によって何世代にも渡って選びぬいた結果、完全にタネが無い品種を作り上げてしまったからです。
その証拠に、原種と言われる2種の実の中にはタネが沢山あることが確認されています。