シャモジのようなクチバシのヘラサギは漫画とも呼ばれることもあった

シャモジ

シャモジ

和名のヘラサギは、シャモジのようなクチバシから命名されました。希少種のヘラサギは日本に数羽程度しか飛来しないのに、古くは、中国名の「漫画(マンカク)」と呼ばれることもありました。この記事では、ヘラサギという鳥を簡潔に紹介しています。ヘラサギのことを知らない人も楽しめるでしょう。

▼目次

  1. ヘラサギとはどんな鳥なの?
  2. ヘラサギとサギとの違い
  3. ヘラサギの近縁種
  4. ヘラサギが漫画と呼ばれた理由
  5. ポイントのまとめ

ヘラサギはどんな鳥なの?

ヘラサギは、ペリカン目トキ科のヘラサギ属の鳥で、ユーラシア大陸とインド、ヨーロッパ東部地区などで繁殖して、越冬のため、ペルシャ湾沿岸から中国南部付近に渡ってきます。

日本には、冬鳥として飛来します。

和名のヘラサギは、シャモジのようなユーモラスなクチバシから命名されたものですが、国内では毎年、数羽程度しか目撃されない希少種でした。

85㎝と大きな体長や白い羽毛、そして「ヘラサギ」という名称からサギ類を連想させますが、無関係でした。

ヘラサギは、サギとは無関係な鳥だったと知った後で、改めてヘラサギを見ると、確かに短めの首や太い胴体はサギ類よりも頑強そうに見えます。

ヘラサギとサギとの違い

ヘラサギは呼び名や容姿だけでなく、沼地や河川で魚・カエル・カニなどを捕食して周辺の林でコロニーを作ることなど、多くの点でサギと似ています。

ヘラサギとサギの区別は、次のような動作を確認すると良いでしょう。

  • サギが立ち上がる時には、胸を反らせます。ヘラサギは、やや前のめりになります。
  • サギが飛び立つ時には、首をS字形に曲げます。ヘラサギは伸ばします。

ヘラサギの近縁種

木べら

木べら

ヘラサギの近縁種は、顔の色が黒い「クロツラヘラサギ」です。

「クロツラヘラサギ」は、九州や沖縄の決まった水辺に毎年、300羽ほど飛来しますが、生息地は中国大陸の沿岸部などに限られていて、世界中で2,000羽程度の希少種と言われています。

ヘラサギが漫画と呼ばれる理由

ヘラサギは、日本への飛来数は少なかったのですが、江戸時代から知られていて、変わった古名もあります。代表的な古名は「漫画」です。

「漫画」は中国名でマンカクと読みます。「漫(マン)」は、落ち着かない様子のことで、「画(カク)」は描くという意味です。

ヘラサギは、水面にシャモジのようなクチバシで、絵を描くようにしてエサを探します。この様子は、落ち着かない様に見えます。

中国名の「漫画」という飛び名は、日本語ではマンガを連想させますが、ヘラサギをズバリ表した良い名称でした。

ポイントのまとめ

ヘラサギは、トキ科の鳥で希少種でした。ヘラサギの呼び名や容姿、沼地でエサを探すことや周辺の林でコロニーを作ることなど、多くの点でサギと似ていますが、サギとは関係のない鳥でした。

ヘラサギという和名は、シャモジを連想させるちょっと風変わりなクチバシから命名されたものです。それに対して、中国名の「漫画(マンカク)」という名称は、落ち着かない様子を現わす「漫」と、描くことを意味する「画」です。

漫画という名称だけでヘラサギという鳥の仕草まで表現する漢字は、今更ながら感心させられますが、日本中に数羽しか飛来しない、ヘラサギを中国語の古名で呼んでいたとは、ヘラサギを目撃した当時の日本人には余程印象に残ったのでしょう。