昆虫の単眼は何のためにあるの?

アカトンボ

アカトンボ

昆虫には素晴らしい複眼がありますが、人と同じような構造の単眼も持っています。単眼の役割は、光変化検知能力を使った複眼の補足的な働きですが、光変化検知能力は、昆虫の飛行姿勢のセンサーとしての重要な役割も担っていました。

▼目次

    1. 昆虫の眼
    2. -オプティカルフローとは?
    3. 昆虫の単眼の役割
    4. -複数の単眼を持つ理由
    5. ポイントのまとめ

昆虫の眼

昆虫には立派な眼があります。例えばトンボを思い浮かべてみてください。頭部の半球状の大きな眼を拡大すると六角形の小さな眼が集まっています。この眼は複眼と呼ばれています。

昆虫の複眼は、独立した個々の小さな眼が飛び出たような半球形をしているため、とても広い範囲を見ることができます。

さらに、昆虫の複眼は視野全体に渡って「オプティカルフロー」のパターンで対象物をとらえているため、人が驚くようなアクロバット飛行を可能にしていると言われています。

オプティカルフローとは?

「オプティカルフロー」とは、高速道路で車から見る景色のようなイメージのことです。

車を高速走行させると、進行方向から映像が湧き出て来て、側方に流れ、後方に収束していくように感じられます。流れる像の見え方は、遠くのものはゆっくり動いて、近くのものは素早く流れるように感じられます。

このような見え方のことを「オプティカルフロー」と呼んでいます。

昆虫の複眼は、広い視野と「オプティカルフロー」で対象物を見ることができる優れた眼ですが、多くの昆虫は複眼だけでなく、3つの単眼を持っています。

昆虫の単眼は何のためにあるのでしょうか?

昆虫の単眼の役割

昆虫学者によって、単眼は夕暮れと日の出を認知する機能があることが判りました。単眼は、微弱な光を感知する能力や、光強度変化の感度が優れていて、複眼の機能を補う役目を担っていました。

また、光強度を敏感に感じ取れる能力は、昆虫が飛ぶ時の姿勢制御のセンサーとして重要な役目をしていて、既に昆虫の研究者たちによって検証もされていました。

昆虫が飛ぶ時には、単眼が地平線の位置を検知していて、明るい空側と暗い地面を視野の中間(地平線)に見ることで安定した飛行をしていました。

飛行する場合は、縦揺れに対して「ピッチ軸」、横揺れに対して「ヨー軸」、進行方向の体の回転に対して「ロール軸」の3軸を制御しなければなりません。昆虫は、それぞれの軸が変化すると、単眼で明るさの変化を検出して、姿勢の制御につなげていたのです。

複数の単眼を持つ理由

地平線

地平線

    1. 多くの昆虫の単眼が3つもあるのは、飛行する時の3つの単眼の明暗変化のパターンで、3軸のどれが変化したのかを判別するためでしょう。

ポイントのまとめ

昆虫は素晴らしい複眼を持っていますが、それに加えて、1個のレンズと後方の細胞で構成する単眼も持っています。しかも、多くの昆虫の単眼は3つもあります。

単眼の役割は昆虫学者によって究明されていて、光強度を敏感に感じ取れる能力が、複眼よりも優れていることも判っています。そのため、複眼よりも先に、明け方だとか、日暮れを検知しています。

やがて、周りの明るさが複眼でも判る変化に達すると行動を起こします。

この場合の単眼の役割は、複眼の機能の補足的な働きですが、単眼は、光変化検知能力を駆使して、飛行姿勢のセンサーとしての重要な役割も担っていました。