恐竜が酸素の薄い地球で生き残れた理由|恐竜には気嚢(きのう)があった

地球

地球

恐竜が棲んでいた頃の地球は、現在の地球の標高4,000メートル付近の酸素しかなかったようです。この記事では、極度な低酸素環境でも巨大な恐竜たちが暮らせた秘密を紹介しています。

▼目次

    1. 恐竜時代の酸素濃度
    2. 恐竜はどんな呼吸システムを持っていたの?
    3. -気嚢を使った呼吸法
    4. -恐竜が低酸素の地球で普通に生活できた理由
    5. ポイントのまとめ

恐竜時代の酸素濃度

恐竜が地球を支配していた頃の地球の酸素濃度は、想像以上に低かったそうです。
現在の地球の酸素濃度は、およそ21%ですが、当時は12〜15%でした。この濃度は、標高4,000メートルに相当します。

大型の恐竜たちは、酸欠状態の地球で、どのようにして呼吸をしていたのでしょうか?

恐竜はどんな呼吸システムを持っていたの?

鳥の祖先は恐竜と言われていますが、多くの恐竜たちも鳥と同様の気嚢(きのう)システムを備えていたようです。

哺乳類は横隔膜と呼ばれる筋肉を上下させて、空気を肺管から送排出する呼吸システムですが、気嚢は伸縮することで呼吸をしています。

気嚢は、肺の前後にある袋状の器官で、伸縮するポンプのような働きをしています。

気嚢を使った呼吸法

気嚢図 手書き

気嚢図 手書き

    1. 気嚢の概略図(上図)を見て下さい。気嚢は肺(B)の前後にあって空気を吸い込むと、後気嚢(C)、前気嚢(A)も膨張します。空気の流れは常に一方通行のため、気嚢の中の空気は次のようになります。

      • 空気を吸い込むと後気嚢(C)には、新鮮な空気が流れ込みますが、前気嚢(A)には肺(B)からの空気が流入します。
      • 空気を吐き出す時は、後気嚢(C)、前気嚢(A)とも縮んで空気を押し出します。肺(B)には後気嚢(C)から押し出された新鮮な空気が流入します。

以上のように気嚢システムは、空気を吸い込む時だけでなく、吐き出す時にも肺に新鮮な空気を送り込むことから、肺への負荷は低減されます。

気嚢をもっている鳥類は、哺乳類の2.6倍もの酸素量を血管に送り込めると言われています。

恐竜が低酸素の地球で普通に生活できた理由

恐竜たちが低酸素の地球環境でも生活できた理由は、肺をサポートする気嚢システムを持っていたからでしょう。

ただし、気嚢の化石が発見されなかったため、恐竜が気嚢を持っていたという説への否定論は強かったそうです。

2005年に「ネイチャー」に掲載された論文によって、竜脚形類や獣脚類の恐竜も気嚢を持っていたことが認められるようになりました。現在は、さらに研究が進んで、初期の肉食恐竜と言われているコエロフィシスにも気嚢が有ったという説が有力になっています。

ポイントのまとめ

恐竜が地球を支配していた頃は、現在よりも酸素濃度が低く、現在の地球に当てはめると、標高4,000メートル付近になります。

恐竜から進化した鳥類の気嚢システムは、哺乳類の呼吸方法の2.6倍も血管内に酸素を取り込めると言われています。巨大な恐竜たちが、酸素が薄い環境で暮らせた理由は、鳥類が持っているのと同様な気嚢システムを持っていたからと推測されています。